球団の“本音”に田嶋大樹「心の安心材料」 築いた過去5年に「背中を押された」

オリックス・田嶋大樹【写真:小林靖】
オリックス・田嶋大樹【写真:小林靖】

オリックス・田嶋大樹、球団からの言葉に「これからも頑張ろうと思いました」

 感謝の思いを形で表す。オリックス・田嶋大樹投手が、球団の高い評価に応える1年を目指している。「球団がここまで評価をしてくださっているとは、思ってもいませんでした。ありがたいですね。しっかりと見て下さっているんだ。これからも頑張ろうと思いました」。実直な言葉で、感謝の気持ちを表した。

 昨年末の契約交渉で、球団からプラス評価を受けた。昨季は21試合に登板し、前年(6勝4敗)と同じ6勝(8敗)。「首の皮1枚でしがみついた1年間。1軍に居続けられたというより、1軍に居させてもらった感じ」と自己評価し、チームの勝利に大きく貢献できなかった田嶋にとって、球団担当者の言葉は意外なものだった。

「『過去5年間に渡って、先発ローテーションを守ってくれたので、今回の評価をしました』と言っていただきました。ここ3、4年で、自分は(球団から)評価されていないと思っていたんで。心の安心材料にもなりますし、めちゃくちゃ背中を押されました」

 田嶋は佐野日大高、JR東日本から2017年ドラフト1位でオリックスに入団。2023年は故障などで13試合登板にとどまったものの、3年目からは2021年の24試合を筆頭に4年間、20試合以上の先発マウンドに登り続けた。その間、2020年、2021年は規定投球回もクリアし、2022年にはキャリアハイの9勝を挙げ26年ぶりの日本一にも貢献した。

 入団以来の7年間、先発を託され安定した成績を残してきたことを評価する球団に対し、自己評価が低いのは自身の成績よりチームの勝利への貢献を優先する田嶋らしい思いからだ。「球団から期待されているのは1年目から同じだし、チームのためにやりたい気持ちでいるのですが、実力が伴わないのでなかなか応えることができていないんです。期待されていることはありがたいことなんですが、実力が全然伸びてこないっていう感じですね」。

 毎年、自分を変えるために取り組む。2024年のオフは、大きな変化を求めフォーム改造に着手した。巨人時代の菅野智之投手(オリオールズ)が一時、取り入れた、腕から始動する新たなスタイル。大胆なモデルチェンジは、球団の期待に応えるための大きな決断だ。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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