CC・サバシア氏らレジェンド13人が日本で野球普及 元MLB右腕も感激「素晴らしい」

青鳥特別支援学校で開催された野球教室【写真:佐藤直子】
青鳥特別支援学校で開催された野球教室【写真:佐藤直子】

CC・サバシア氏らが都立青鳥特別支援学校で約160人と交流

 来日中のMLBレジェンド選手13人が17日、東京都立青鳥特別支援学校で野球教室を開催し、約160人の生徒たちとボールとバットを通じて交流を深めた。18日に東京ドームで開幕を迎えるドジャースOBの斎藤隆氏、カブスOBの川崎宗則氏も参加。MLBの国際的な野球普及活動に熱心な姿勢に、斎藤氏は「日本も参考にしたい部分がたくさんある」と話した。

 新人王、シーズンMVP、サイ・ヤング賞、最多勝、本塁打王、打点王、盗塁王、そして殿堂選手……。メジャーの歴史に名を刻んだ正真正銘のレジェンドたちが青鳥特別支援学校の校庭に集結した。CC・サバシア氏(ヤンキースなど)、ライアン・ハワード氏(フィリーズ)に加え、日本でプレー経験を持つアンドリュー・ジョーンズ氏やアダムジョーンズ氏らも。2000年〜2010年代に大活躍した13人のスターたちは、日本でも分け隔てない笑顔で子どもたちにバットとボールを使って遊ぶ楽しさを伝えた。

 ピッチング体験とバッティング体験の2か所に分かれ、知的障がいがある生徒たちにバットの持ち方を教えたり、ボールの投げ方を教えたり。球拾い組に入ると率先してボールを追いかけ、捕ったボールを子どもたちに手渡し、投げ返させた。レジェンドたちにアドバイスを受けるとすぐに上達する子どもたちの可能性に、フィリーズ世界一メンバーでゴールドグラブ賞4度を誇るシェーン・ビクトリーノ氏は「来た甲斐があった」と目を細めた。

 約1時間ほどの滞在だった。しかし、校庭を去る際に子どもたちから「ありがとうございました!」の大合唱を受けると、歴戦の猛者たちも日本語で「アリガトウ!」と返答。居合わせた全員の笑顔が止むことはなかった。

野球教室に参加した斎藤隆氏(右)【写真:佐藤直子】
野球教室に参加した斎藤隆氏(右)【写真:佐藤直子】

斎藤隆氏「どこを取っても素晴らしい」

 MLB機構では、日本を含むアジア、ヨーロッパ、アフリカなど、世界各地で野球の魅力を伝える普及活動に力を入れている。MLBコミッショナーズ・アンバサダー・プログラムのメンバーとなったOBたちの協力を受け、野球というスポーツに1人でも多くの子どもたちが触れ合う機会を演出。今回はMLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏やドジャース、カブス両球団のオーナーたちも参加し、野球を世界へ、そして次の世代へ繋いでいこうという姿勢を強く示した。

 日米両球界で活躍し、引退後は日米双方で球団フロントオフィスでの仕事に携わった斎藤氏は、「参加して思うのは、(レジェンドが子どもたち)みんなとの触れ合い方も上手にやってくれますし、何よりあんなにすごいメジャーリーガーと並んでいる自分も少し感動しています。割と自然にみんなが本当に楽しんでくれたのは、どこをとっても素晴らしいと思いますね」と感動した様子だ。

 さらに、MLBとして野球普及に取り組む思いの強さに「日本の野球も決して負けていない部分がたくさんあります。けれど、こういう活動を通して、何か目に見えないMLBのすごさみたいなのは、毎回肌で感じてしまうところがあります。多分に皆さん(メディア)も同じ思いをされているんじゃないかなと。参考にしたい部分というところもたくさんありますね」と日本球界に“提言”を送った。

 都立青鳥特別支援学校は2023年、特別支援学校として東京都高校野球連盟に初めて加入し、昨夏の全国高校野球選手権西東京大会に単独チームとして出場。20日には産業技能高専との春季大会1次予選を控えているが、この日、憧れのMLBレジェンドたちから得たパワーを持って初勝利を目指して全力を尽くす。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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