鈴木誠也は「去年までの姿じゃなかった」 ノーヒットで“閉幕”のワケ…専門家が指摘

カブス・鈴木、東京シリーズは2試合とも無安打
【MLB】ドジャース 6ー3 カブス(19日・東京ドーム)
ほろ苦い“凱旋”となった。カブスの鈴木誠也外野手は19日、東京ドームで行われたドジャース戦に「2番・DH」で先発出場。1四球を選んだものの4打数無安打3三振に終わった。現役時代にヤクルト、阪神など4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「去年までの誠也の姿じゃなかった」と東京シリーズの独特のムードが与えた影響を指摘した。
佐々木朗希投手との日本人対決となった初回1死は、フルカウントから159キロ内角直球で空振り三振。佐々木と2度目の対決となった3回は四球を選んだ。ルイス・ガルシア投手に代わった4回2死満塁の絶好機では中途半端なスイングで空振り三振。6回は三ゴロ、9回も空振り三振に倒れた。
18日の同カードでは9回に痛烈な当たりを放ったもののサードライナー。2試合連続で4打数無安打となり、野口氏は「力み倒していた。日本での試合だし、早く1本打ちたいというのがありありと出ていた。頭の中で考えがまとまらないまま打っていた感じ。狙い球が合っていなかった」と解説した。
この試合ではドジャースの大谷翔平投手が本塁打、佐々木朗希投手は3回1失点で降板も160キロ超の直球を連発するなど見せ場を作った。18日の試合では山本由伸投手が5回1失点で勝利投手、投げ合った今永昇太投手は4回無安打無失点。今シリーズに登場した日本人5選手で鈴木は“蚊帳の外”となった感があるが、野口氏は「仕方ない部分がある」という。
「日本でやるMLBの開幕戦。どうしても日本人に期待が集まってしまうし、力むなって方が無理でしょう」。同学年の大谷は活躍。しかも鈴木は東京出身だ。強い責任感が力みとなったのは想像に難くない。ドジャースはトミー・エドマン外野手とテオスカー・ヘルナンデス外野手にも一発が飛び出し、両軍とも守備でも素晴らしいプレーを連発。「いっぱい凄いプレーがあったけど、今回はどうしても日本人選手を中心に見てしまう」と注目度が重圧になった可能性も指摘した。
「今回はこの状況で結果を出した大谷、由伸、今永が凄すぎただけ」と野口氏。まだシーズンは始まったばかり。鈴木がこのまま終わるわけがない。切り替えて、すぐに本来の姿を取り戻すことだろう。
(尾辻剛 / Go Otsuji)
