漏らした重圧「普通にするのは無理」 若きエースが抱える“大役”への思い

高橋宏斗、初の開幕投手に「普通にするのは無理」
初の“大役”を任された若きエースが思いを語った。中日の高橋宏斗投手が21日、楽天戦に先発。4回を投げ4安打2失点だったが「不安が残る内容ではなかった」と前向きに捉えた。自身初の開幕投手を任された22歳は順調に調整が進む一方で、ひそかに抱えた“重圧”を告白した。
開幕戦前の最終登板となったこの日は、初回から150キロの直球とスプリットを織り交ぜ3回まで1安打に抑える好投を見せた。3回表には5球団が競合した逸材、宗山塁から150キロの直球で三振を奪うなど状態の良さを伺える内容だった。
4回にこそ2失点を許したものの「今日は安定して150キロも出ていたし良かったと思います。もう少し真っすぐとスプリットのコンビネーションが決まってくればもっと良くなると思う。100点の投球ができるに越したことにないですが、不安が残る内容ではなかったです」と自身の状態を冷静に分析した。
コンディションに不安はないと語るが、開幕投手への抜擢にはプレッシャーも感じている。20歳の若さで侍ジャパンに選出され、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一に貢献。昨季は最優秀防御率のタイトルを獲得。それでも「WBCの時は1イニング全力で投げるだけでしたが、今回は先発なので試合を作らないといけない。また違った緊張感になると思います。開幕投手が決まった時から緊張感はあります。僕は全試合緊張するタイプなんです」と本音を漏らした。
大舞台で躍動を続けてきた22歳だったが、開幕を1週間後に控えた心には少しずつプレッシャーが大きくなっていた。「想像できないくらいプレッシャーがかかると思うんですけど……、それはそれで楽しみたいと思います。普通にするのは無理だと思うので、特別な緊張感を自分の中で理解して、どんどんプラスに考えていきたい」。緊張感はあっても、ついに抜擢された大役にネガティブになることは無い。
「せっかく任せてもらえたので楽しみです。不安材料も特にないですし、体も元気なのでこのままいければいいなと思います。ここまで来たら技術が上がることは無いと思いますし、しっかり気持ちの面でいい状態に持っていけるように過ごしたいなと思います」。残された1週間、指揮官の初陣を勝利で飾るため、自分自身との闘いに勝って見せる。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)
