中日・根尾昂を「酷な場面で最近使いすぎている」 2軍監督が明かした起用の意図

阪神戦に登板した中日・根尾昂【写真:木村竜也】
阪神戦に登板した中日・根尾昂【写真:木村竜也】

中日・根尾昂がピンチで完璧な救援

 未完の大器が“新ポジション”で奮闘中だ。中日の根尾昂投手が23日、2軍の阪神戦で8回途中から登板し、打者2人を無安打に抑えた。完璧な救援に落合英二2軍監督も「厳しい場面を潜り抜けていけば1軍のチャンスはあると思う」と期待を示した。

 3点リードの8回から藤嶋健人投手が登板したが、先頭の4番・井上広大外野手に安打を許すと、味方のエラーなども重なり不運な形でピンチを招いた。続く8番・百崎蒼生内野手に犠飛を打たれたところで藤嶋は降板。根尾は1死一、三塁のピンチでマウンドに上がると、打者2人を遊ゴロ、一ゴロに抑え、わずか7球でピンチを切り抜けてみせた。

 投げ切る想定だった藤嶋が前日も登板していたため、急きょ出番となった。登板のタイミングを伝えられていたわけではなかったが「5回くらいから試合を観ながら、しっかり準備ができていたので良かったです」と準備万端だった。

 18日のオリックス戦では7回から登板し、1回を1安打無失点。19日は延長10回に登板し1回を1安打2奪三振、1四球で無失点に抑えていた。

落合2軍監督「1軍のチャンスはあると思う」

 緊迫した場面での登板が続く起用について、落合監督は「酷な場面で最近使いすぎている。でも、ああいう場面で抑えておくと1軍で厳しい所でも何でもできるかなと。2軍の敗戦処理なんかやっていたら1軍の敗戦処理もできない。厳しい場面を潜り抜けて、そこで答えを出しておけば1軍のチャンスはあると思う」と意図を説明した。

 プロ入り当初は野手でプレーするも、2022年途中から投手に転向。昨年は先発1試合、救援2試合に登板し、防御率9.39だった。今季から本格的に中継ぎに配置転換となり、責任感はより強くなった。「いつ投げても無失点、最少失点というのが中継ぎ。失点が許されない場面での登板が増えますし、より抑えたいという気持ちは強いです」と新ポジション定着への気持ちは強い。

 2軍ではこれまで3試合に登板し、無失点を継続中だ。落合監督も「投げ方が良くなりましたよ。2月1日から見て自主トレから良くなっている感じはする。クイックになるとまだ暴れるんですが、ランナーがいないところの投げ方が戻ってきたと思う」と根尾の“変化”を実感している様子だ。

 2018年のドラフト会議で4球団が競合した大器が、試行錯誤を繰り返しながらたどり着いた勝負の7年目。「目の前の打者を抑えに行くだけです」と力強く語った。中日躍進の“ラストピース”として1軍で活躍する日はそう遠くはないはずだ。

(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

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