復活勝利の千賀に“第7の球種” ゴーストフォークと直球を合わせた「えぐい新球」

2試合目で5回無失点の初勝利
■ メッツ 2ー0 マーリンズ(日本時間8日・ニューヨーク)
メッツの千賀滉大投手が7日(日本時間8日)、本拠地で行われたマーリンズ戦で先発登板。5回を5安打無失点、4奪三振で今季初勝利を挙げた。チームは2-0で勝ち、5連勝とした。前回登板と同じマーリンズが相手で「今日みたいに少ない失点数でいけば勝つ確率も上がる。打者を見ながらデータもそうですし、感覚やバッターも見てうまくできた」と、満足そうに振り返った。
気温6度で吐く息も白くなるほどの寒さのマウンドでも、右腕は冷静だった。2週連続の対戦で研究してきた相手打者に、初回は決め球のフォークを見極められる場面もあったが、2回以降は直球とカットボールを主体に切り替えた。スプリングトレーニングでも取り組んでいたシンカーを使うなど、多彩な球種を操って相手打線に的を絞らせなかった。
伝家の宝刀“ゴーストフォーク”は通常80マイル台前半だが、シンカーは80マイル台後半。球場にはフォークと表示されるほど見極めが難しい新球を4、5球投げたと言う。「真っ直ぐ、カットの割合が多いので、逆の球があればいいなというところと、フォークに偽装できて違う球になれば打者も嫌だと思う」と狙いを語った。精度については「全体的に球速が上がってくれば、あの球もスピードが上がってくるし、これから」と、改善途中であることを明かした。
今年3月にメジャーリーグ公式サイトが「今春のキャンプで目立った15のえぐい新球」と題した特集記事で、千賀のシンカーが紹介されていた。記事では「90マイル(145キロ)くらいのシンカーは95マイル(153キロ)の直球と83マイル(134キロ)のゴーストフォークの間の球速で、いい動きをしている。メッツのエースにとってシンカーは第7の球種になりそうだ」と評価されていた。レギュラーシーズンでも使える目処が立ったことは収穫だった。
千賀の球種別割合を見ると、フォーシームの次にフォークが多い。相手打者の目先を変える上で、シンカーの割合が増えてくれば、ゴーストフォークとの相乗効果も期待できそうだ。昨季は怪我で長期離脱を余儀なくされ、レギュラーシーズンの登板はわずか1試合にとどまった。復活を期す今季は年間通した活躍を見据え、開幕から2試合続けて77球で降板となったが、進化の跡は見えた。メッツのカルロス・メンドーサ監督は「千賀は6回も行ける余力はあった。とても手堅い5イニングだった」と、頼もしそうに語った。
(Full-Count編集部)
