プロ野球選手会、写真・動画など配信禁止は「極めて残念」 NPBへ見直し要求

「ファンとともに創るプロ野球のために」
日本プロ野球選手会は9日、「写真・動画等の撮影および配信・送信規程」についての見解を公開した。公式X(旧ツイッター)を更新し、「ファンとともに創るプロ野球のために、選手会はNPBに対し規程の見直しを強く求めています」と示した。
プロ野球で今季から運用する「写真・動画等の撮影および配信・送信規程」では、ファンが球場で撮影したインプレー中の選手の写真や動画を交流サイト(SNS)に配信することなどを禁じている。日本プロ野球選手会は「ファントモ会員をはじめとする多くの野球ファンの皆様の声を受け止め、改めてNPBに対し、本規定の緩和・見直しを求める立場を表明いたします」と示した。
選手会は「プロ野球がファンの皆様の熱意によって支えられ、発展してきたと信じています。SNSなどを通じて感動の瞬間が共有されることは、ファンの皆様にとっての楽しみであると同時に、プロ野球の魅力を広く伝える力となっています。実際に、そこから新たなファンが生まれていることを、選手も日々感じ、感謝しています」とSNSを通じた写真・動画の配信が新たなファンの獲得になっていると指摘。
「本規定の内容が他競技と比べても過度な規制ではないかとの意見を伝え、本規定の見直しを要望してきました。今後も本規定の緩和・見直しを求め、NPBとの協議を継続していく所存です」と伝えている。
日本ハムは3月31日にNPBが関わるプロ野球暴力団等排除対策協議会から26日付でルール運用について改善勧告を受けたと発表。ファンやNPBなどに「混乱をお招きした」とする一方、ルールの解釈については引き続き「協議したい」としていた。選手会は「法的にも自然な解釈であり、ファン目線の柔軟な判断・対応であったと考えています。それにもかかわらず、同球団が方針変更を余儀なくされたことは極めて残念です。本規程の不明確な表現により、球団を混乱させ、このような状況を招いたNPB側にこそガバナンス上の問題があるのではないでしょうか」と強い言葉でNPBへ問いかけた。
選手会は写真・動画等の撮影や配信ができないことは「非常に厳しい制限」とした。「ファンの皆様が球場で感じた感動を表現・共有し、プロ野球をより盛り上げられる環境を心から望んでいます。改めまして、NPBにはファンと選手双方の声に耳を傾け、本規程の緩和・見直しに向けた前向きな議論を強く求めます。プロ野球は、球団関係者のみならず、ファンと選手も一緒に創り上げるものです」と結んでいる。
(Full-Count編集部)