中日が手にした“切り札”「何かやってくれる」 覚醒気配漂うドラ1、4年目の進化

お立ち台に上がった中日・柳裕也(左)とブライト健太【写真提供:産経新聞社】
お立ち台に上がった中日・柳裕也(左)とブライト健太【写真提供:産経新聞社】

ブライト健太が決勝打を放った

■中日 3ー1 広島(9日・バンテリンドーム)

 中日は9日、バンテリンドームで行われた広島戦に3-1で勝利し、今季4勝目を挙げた。8回裏に代打で出場し、決勝打となる適時二塁打を放ったブライト健太外野手は「全員が勝ちに向かってやっている中で打てたので本当に嬉しかった」と、とびきりの笑顔を見せた。

「自分が決めてやろうと思って。打ったらヒーローなので、楽しんで打席に入りました」

 同点で迎えた8回裏、2死一、三塁の場面に代打で登場。「ブライト」の名前がコールされた瞬間、大歓声が沸き起こった。さらにパスボールで二、三塁となると、球場のボルテージは最高潮に達した。ブライトは2ボールからの3球目、外角の球をはじき返すと中堅手の頭を越えフェンスを直撃。値千金の2点適時二塁打に、塁上で高々と両手を突き上げた。

 スイングに迷いはない。6日のヤクルト戦で放った1号ソロも3ボールからのファーストストライクだった。「自分が有利なうちに振りに行ければいいなと思っています。次の球を絶対行こうと決めていました」と好調の要因を分析した。

 この活躍には井上一樹監督も「打ってくれて僕も救われた気がします。期待に応えてくれました」と表情が緩んだ。さらにブライトの最大の長所について「一番ポジティブな人間。ビビって出たくありませんというところは、これっぽっちも見えない。出してくださいよ! というところが良い結果につながっていると思います」と、常に明るく声を出し続ける性格を評価した。

ブランコ氏と同じ背番号42への特別な想い

 ブライトは2日間続いていたスタメンをこの日外れていた。その理由について井上監督は「勢いを必ずもってきてくれる選手ですし、何かやってくれる選手だということは分かっています」と、高い評価は変わらないとした上で、「ここぞという時のために取っておくという理由でスターティングメンバーから外しました。カープさんは後ろに左の良い投手がいますので、そこに取っておくというのもひとつの手かなと思います」と説明した。

 さらにこの日は元中日のトニ・ブランコ氏の訃報が飛び込んできた。奇しくも同じ背番号42を背負ったブライト。黒人選手として初めてメジャーリーグでプレーしたジャッキー・ロビンソンに憧れてつけた番号だが、この日はブランコ氏への特別な想いがあった。

「すごく悲しいニュースが入って、自分の中でもすごく意識していたので、そこで勝つことができたのは意味があります。僕の中でも42番は意味のある数字なので、もっともっと活躍して42番といえば僕だと言ってもらえるような選手になります」

 プロ4年目を迎え“覚醒の気配”が漂う25歳。この世を去ったレジェンドに思いを馳せ、立派な「42」の後継者になると心に誓った。

【実際の様子】鳴りやまぬ大歓声…背番号42ブライト健太のフェン直二塁打

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