戦う舞台は違っても…佐藤一磨が刺激得る同級生 命懸けで立つリング、お互いに目指す頂点

横浜隼人高時代のオリックス・佐藤一磨(左)とプロボクサーの廣瀬悠斗選手【写真:本人提供】
横浜隼人高時代のオリックス・佐藤一磨(左)とプロボクサーの廣瀬悠斗選手【写真:本人提供】

オリ佐藤一磨の横浜隼人高時代の盟友…廣瀬悠斗はプロボクサーに転身

 お互いに高みを目指す。オリックスの佐藤一磨投手が、高校野球部の同級生でプロボクサーに転身した親友とともに頂点を目指している。「お互いに野球やボクシングの話はしませんが、彼は日本チャンピオンから世界王者を目指していると思うし、僕はリーグ優勝、日本一を目指し、切磋琢磨しあえたらいいと思っています」と、23歳左腕は目を輝かせて近い将来の夢を語った。

 プロボクサーになったのは、廣瀬悠斗選手(スーパーライト級、KG大和ボクシングジム)。横浜隼人高時代は外野手として佐藤と3年間、甲子園を目指して汗を流した。佐藤によれば、廣瀬は元々、格闘技に興味があり、高校卒業後にプロを目指したという。
 
 佐藤は、同校から2019年育成ドラフト1位で入団した長身左腕。5年目の昨年6月に支配下登録され、同月9日の巨人との交流戦(東京ドーム)でプロ初登板。先発して白星を挙げた。

 一方、廣瀬は2022年12月にプロデビューし、2023年9月に初勝利を挙げた。これまで4戦し、2勝(2KO)1敗1分け。5月19日にはスーパーライト級の東日本新人王予選(4R)が予定されている。

「1年間で1日だけ羽目を外すのが、廣瀬と会う時」

 家族や高校時代の指導者らを除くと、巨人戦での登板予定を最初に連絡したのが廣瀬だった。「野球部時代もやることすべてが真剣なのですが、明るくて一緒にいて楽しい。命懸けというか、ちょっとでも気を抜けば生身にはね返ってくるので、緊張感はあるし相当の覚悟をもって臨んでいると思うのですが、切り替えがうまいのでしょうね。僕が1年間で1日だけ羽目を外すのが、廣瀬と会う時なんです」と人間的な魅力を語る。廣瀬は巨人戦も観戦したそうで、「お前、カッコよかった。マジですごい」と喜んでくれたという。

 昨年11月末に行われた廣瀬の4戦目を観戦する予定だった。しかし、メンバー変更で急遽、台湾でのウインター・リーグに派遣されたため、ナマで戦う姿を見たことはない。

 佐藤は開幕1軍を逃したが、ウエスタン・リーグで好調を維持。昇格する日に備えて研鑽を続けている。マウンドとリング。戦う舞台は違うが、お互いに頂点に立つ日を目指して腕を振り続ける。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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