同姓の阪神右腕は「すご過ぎて」 直訴して救援で勝負…オリ才木海翔が語る“心意気”

オリックス・才木海翔【写真:小林靖】
オリックス・才木海翔【写真:小林靖】

オリ才木海翔は昨年5月に支配下登録、15試合に登板

 オリックスの才木海翔投手が、同姓の阪神・才木浩人投手をお手本に飛躍を誓う。「育成時代は、『親戚ですか』『関係はないのですか』などと結構、声をかけられましたね。阪神の才木さんはすごいピッチャーなので、同じ『才木姓』のお手本として、僕も頑張りたいですね」と力を込めた。

 才木は2000年6月、大阪生まれの24歳。北海道栄高、大経大から2022年育成ドラフト2位でオリックスに入団した。2年目の昨年5月に支配下登録され、15試合に登板し、0勝2敗1ホールド、防御率5.09の成績を残した。

 阪神の才木は1998年11月、兵庫県生まれの26歳。須磨翔風高から2016年ドラフト3位で入団した。2020年オフに右肘のトミー・ジョン(TJ)手術を受け育成登録されたが、2022年4月に支配下復帰。2024年は規定投球回数をクリアして13勝(3敗)を挙げた。

 「阪神の才木さんは手足が長くて体も大きく使われ、僕とは比較になりません。比べられたら、逆にこっちの方が困りますし、向こうの才木さんの方がすご過ぎて失礼です」と首をすくめて敬意を表す。

昨季後半は先発起用も…今季は救援に専念

 昨季前半は中継ぎ・抑え、後半は先発で起用されたオリックスの才木は5年目の今季、再び中継ぎ・抑えに転向した。「中継ぎの方が僕の性格に合っていると思うので、契約更改の席でお願いしました。先発なら最低5回まで投げることを考えた投球をしなければいけませんが、中継ぎなら自分のパフォーマンスを最大限、発揮できます」。救援と先発。異なる役割を経験できたからこそ短いイニングに集中し、がむしゃらに打者に向かうマウンドが自分が輝ける場所だと確信したのだった。

 2軍では17日終了時点で11試合に登板し、ウエスタン・リーグではチーム20試合時点で8試合に登板し、10回1/3を投げて8安打10奪三振で防御率5.23。昨オフは午前5時に起床し、大阪・舞洲の球団施設で先輩の本田仁海投手と自主トレに励んだ。下半身を強化し、ウエートトレーニングで筋肉量も増やし、150キロ超のストレートとフォークで打者を圧倒する投球ができるようになった。

 「中継ぎ陣も層が厚いので、そこに食い込めるように闘争心を持って投げています」。実力でも阪神・才木と比べられるように、日々、強気に打者と対峙する。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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