最速150キロでも…菅野智之が抑えられる理由 米安打製造機が脱帽「見分けるのが困難」

ガーディアンズ戦に登板したオリオールズ・菅野智之【写真:ロイター】
ガーディアンズ戦に登板したオリオールズ・菅野智之【写真:ロイター】

メジャー移籍後最長の7回で本拠地初勝利

【MLB】オリオールズ 6ー2 ガーディアンズ(日本時間18日・ボルティモア)

 オリオールズの菅野智之投手が17日(日本時間18日)に本拠地で行われたガーディアンズ戦に先発登板。メジャー移籍後最長となる7回を投げて5安打2失点にまとめ、今季2勝目を挙げた。初の中4日の登板で本拠地初勝利をマークし、「いい調整ができていました。今日は立ち上がりからいい感じでスタートが切れた。立ち上がりが今日みたいなピッチングを呼んでくれたのかなと思います」とうなずいた。

 初対戦となるガーディアンズのスティーブン・ボート監督は試合前、菅野の低めの変化球を警戒し、「高めの速球に対応することが重要だ」と対策を組んできた。その裏をかくように、菅野が投じた87球のうち48%がスプリットとカーブの変化球だった。

 菅野は「昨日の(先発投手のディーン・)クレーマーもカーブでだいぶ打ち取れていた。カーブはそこまでの得意球ではないですけど、今日はすごくいい感じで抜けもよかったですし、空振りも奪えましたし、早い段階で緩いボールを使うことで後半に真っ直ぐで空振りを奪えたり、そういうのも全部が噛み合ったと思います」と満足そうな表情で語った。

 7回には初打席で本塁打を浴びた左のダニエル・シュニーマン内野手から高めの直球で空振り三振。大きく吠えた理由を「同じバッターにやられなかったのは良かった」と振り返った。

 菅野と3度対戦し、空振り三振、二飛、右飛に打ち取られたガーディアンズのリードオフマン、スティーブン・クワン外野手は「とてもトリッキーな投手だ」と初対戦の右腕を評価した。「カーブとスプリットを織り交ぜてくることは想定していた。だけど、うまく振らされた。特にスプリットは変化が大きくて、真っ直ぐの軌道と似ているので見分けるのが困難だった」と脱帽。「変化球が素晴らしいし、多投するのも納得できる。100マイル(約160.9キロ)の速球がなくても緩急と配球で打者を打ち取る投手を見るのは、とてもクールな経験だ」と称えていた。

 ここまで先発陣のチーム防御率は30球団中ワースト2位。故障者が出るなど苦しい状況の中、菅野は前回登板から中4日でマウンドに上がり、チームの連勝に貢献した。「先発が苦しい状況なので、そういうときに頼ってもらえるのはうれしいことですし、選手冥利に尽きると思います。結果が出てよかったです」。

 米メディアによると、今季のオリオールズの先発投手で初めて7回を投げた投手となった。ブランドン・ハイド監督は「変化球がとても素晴らしかった。制球も良かったし、速球も要所でうまく使えていた。とても効果的な7イニングだった。スプリングトレーニングで見た姿だった」と頼もしそうに語った。

【実際の映像】菅野智之の降板時…本拠地球場で起きた"異様な光景"

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY