選手は「突っ込まれた方が気持ちが楽」 元西武指揮官が明かす…若手の“操縦術”

元西武監督・辻発彦氏【写真提供:PLM】
元西武監督・辻発彦氏【写真提供:PLM】

辻発彦氏が語る選手との接し方

 パーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネルの「月曜日もパテレ行き」に辻発彦さんとG.G.佐藤さんが14日に出演。前週(8~13日)の試合のなかで気になった選手をピックアップして解説した。今回は、配信には入りきらなかった“こぼれ話”を紹介する。

 番組冒頭、G.G.佐藤さんが「今回のゲストは辻発彦さんです!」と紹介。GGさん自ら持ち込んだ冷却スプレーによるスモーク演出で辻さんを迎え入れ、かつて話題を呼んだ“劇団獅子”を彷彿とさせる一幕があった。西武監督時代、試合前のスタメン紹介で辻さんの名前が読み上げられ、スクリーンに映された際に選手らも一緒に映り込み、さまざまなパフォーマンスでスタジアムを盛り上げた“劇団獅子”。

 選手が考えてきた“パフォーマンス案”に、辻さん自ら助言することもあったという。選手との信頼関係が強かった辻さんに、監督として選手と接するうえで大切にしていたことを聞いた。「まずは、選手の話を聞いてから、自分の話をすること。選手の失敗に対して、はじめにどういう意図があったのかを本人から聞いていました」と語る。

 さらに「『なぜあそこでこうしたんだ。あれはこうするべきだっただろう』という話し方はしない。選手の意識が正しくて、それが失敗になったということであれば、『また練習しようよ』という話になりますし、そのプレーがやってはいけないことであっても、選手の意図や気持ちをきちんと聞いたうえで、説明していましたね」と続けた。

 エラーが失点につながった時など、選手に落ち込んでいる様子が見られた時は、選手それぞれの性格に合わせて言葉を変えながら、ミスについて話しかけるようにしていたそう。こうしたスタイルは、辻さんの現役時代の経験に由来している。「自分がミスして失点した時に、監督から(そのプレーに関して)突っ込まれたほうが気持ちが楽だったんですよね。たとえダメ出しだとしても、現場で一番上の立場にあたる監督から声をかけてもらえることは、期待の表れだと思っていたので」と述べた。

 自分自身が、監督に気にかけてもらえることが嬉しかったからこそ、ちょっとしたことでも選手と会話をするようにしていた辻さん。「『髪伸びてるんじゃないか? 早く切って来いよ!』とか、本当にたわいのないことでも良いんですよ」と笑顔で、監督時代を振り返った。

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY