好調オリ打線を牽引…打ちまくる24歳が備える“特殊能力” 覚醒生んだ「.587」

オリックス・太田椋【写真:小林靖】
オリックス・太田椋【写真:小林靖】

直球に強い太田椋…150キロ以上に対しては打率.359をマーク

 2018年ドラフト1位でオリックスの太田椋内野手は、プロ6年目の2024年シーズンに自己最多の91試合に出場。369打席で打率.288、6本塁打、40打点をマーク。今季はリーグ1位の打率.413(20日終了時点)をマークするなど活躍している。今回は太田の打撃の特徴についてデータで見ていく。

 昨季の打率.288は、300打席以上に立ったパ・リーグ42選手で6位だった。その要因の1つにストレートに対する強さが挙げられる。昨季のストレート打率は.339。特に150キロ以上のスピードボールには、リーグ2位の打率.359をマークした。もう1つの特徴が打球方向の変化だ。昨季はレフトへの打球割合が減少。キャリアで初めて30%を下回り、センターから逆方向への打球が中心となった。

 安打の打球方向をストレートと変化球で分けると、ストレートを逆方向、変化球を引っ張り方向に打ち分ける傾向が現れる。昨季の太田はストレートに対して高打率を残しており、それは主にセンターから逆方向への打球によって生み出された。この傾向は長打に限定するとより顕著で。速球に振り遅れて逆方向に飛んでいるのではなく、強い打球を飛ばしているため長打にできるのだろう。

 昨季記録した計25本の長打のうち10本をライトへ放った。逆方向に打球を飛ばした際の長打率.587は、昨季のリーグで3番目に高い数値だった。10本中8本はストレートを捉えたもので、球を逆方向へはじき返して長打にする打撃が太田の真骨頂といえるだろう。6月5日のDeNA戦でアンドレ・ジャクソン投手の156キロを、9月6日の日本ハム戦で田中正義投手の152キロをライトに運んだ一発は、昨季の打撃を象徴しているといえよう。

 今年3月には「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025」のメンバーに選出され、プロ入り後初めて代表戦の舞台を経験。レギュラーシーズンでは好調な打撃でチームを支えている。さらなる飛躍を予感させる24歳の今後の活躍が注目される。

(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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