防御率6点台の投手陣で…“光り輝く”35歳・菅野智之 指揮官脱帽「ファンタスティック」

初回に2被弾も抜群の修正力
■ナショナルズ 4ー3 オリオールズ(24日・ワシントンDC)
オリオールズの菅野智之投手は23日(日本時間24日)、敵地でのナショナルズ戦で今季5度目の先発登板。7回を投げて5安打3失点だった。3勝目はならなかったが、ブランドン・ハイド監督は「トモが初回の失点から立ち直って7回まで投げたのはファンタスティックだった。全ての球種をうまく織り交ぜて緩急を自在に操っていた。彼は投げる術を知り尽くしている」と称えた。
2試合連続白星を狙った初回のマウンド。先頭のジェームズ・ウッド外野手には内角のきわどいコースへのツーシームを右翼2階席に運ばれると、2死から安打で走者を出し、ジョシュ・ベル内野手には右翼ポール際に特大2ランを浴びた。
今季のオリオールズは先発投手が序盤に大量失点する試合が目立っているが、菅野は「気持ちを切らさずに丁寧に投げるということに気をつけました」と踏ん張った。2回以降は8人連続で打ち取ってリズムをつくると、7回まで追加点を許さずに味方の反撃を待った。今季最多94球の熱投を見せた右腕に対し、ハイド監督は「まだ余力があるようだった」とうなるほど、見事な立ち直りだった。
しかし、菅野の力投むなしく、チームは3-4で惜敗。それでも終盤に同点に追いつくなど粘りは見せた。今季は先発陣の不調が響き、チームは9勝14敗でア・リーグ東地区最下位とスタートダッシュに失敗。先発陣のチーム防御率は6.08という状況の中、チームで唯一7回を投げきっている菅野は防御率3.54と孤軍奮闘の働きを見せている。
チームが苦しい状況でマウンドに上がる心境について、日本では巨人で主戦投手だった経験から「先制点を与えないというのと、それが全てではないですけど、やっぱりマウンドでの姿であったりとか、何とかしようとする姿勢であったり、当たり前のことを当たり前のようにできる選手がバッターもピッチャーもいい選手だと僕は思っている」と語る。その上でエースの心得を「何かすごいことをやるというよりも、いつもやっていることをより丁寧に、というのが大事だと思います」と説いた。
菅野は「きっかけ一つで変わると思うので、そういうのを信じてやっていきたいです」と力を込める。35歳のオールドルーキーは、背中でチームを引っ張っている。
(Full-Count編集部)