ドラ2の寺西成騎へ先輩が送った“金言” デビュー前だからこそ伝えた想い「もったいない」

オリックス・寺西成騎【写真:小林靖】
オリックス・寺西成騎【写真:小林靖】

目標とする2年目・高島泰都の存在

 堅実に、着実にローテーション入りを目指す。オリックスのドラフト2位ルーキー・寺西成騎投手が、プロ2年目で開幕ローテに入り、2勝を挙げている高島泰都投手を目標に経験を積んでいる。

 「1年目の終盤から1軍で先発として実績を積まれ、2年目に開幕ローテに入って勝ち星を挙げている先輩。目指すべき立ち位置というか、今の段階では僕もそこを目指したいと思っています」。寺西が表情を引き締めて自身のプランを語った。

 寺西は星稜高、日体大から2024年ドラフト2位で入団。松井秀喜氏の小中高の後輩にあたる右腕。3月8日の巨人とのオープン戦(京セラドーム)で2回を30球、被安打3、無失点で先発デビューを果たし、現在はウエスタン・リーグで経験を積んでいる。

 目標とする高島は滝川西高(北海道)から進学した明大で準硬式を経験。硬式に転向した社会人の王子では4強進出に貢献し、2023年ドラフト5位で入団した。1年目から開幕メンバー入りし、5月末までブルペンデーの1試合を除き中継ぎを務めていた。ファームで先発起用され、実績を積んだ後、3度目の先発となった8月8日の西武戦(京セラドーム)で初勝利。9月28日の楽天戦で2勝目を挙げ、1年目は21試合に登板し、2勝2敗4ホールド、防御率4.02と着実に土台を築いた。

 ともに緩急の差で打たせて取るタイプ。だが、寺西は「タイプではなく、成長過程を参考にしたいのです」といい、高島の登板間隔や成績などのデータを入手し、自身の成長曲線を思い描いている。

 高島は「いいものを持っていますから、普通にやっていけば成長してローテに入れるピッチャーだと思います」と前置きして、「1軍初登板を大切にしてほしい」とアドバイスを送る。

「去年、初めて1軍で投げさせてもらった時、やっぱり1軍にいないと意味がないなと思ったんです。僕は応援がものすごくモチベーションになるタイプ。(都市対抗や日本選手権で)東京ドームや京セラで投げていたのですが、アマチュア時代とは違う応援の熱さを感じました。でも、そんな時に緊張して何もできなかった、というのじゃもったいないじゃないですか。ファームでも勉強はできますが、1軍のマウンドでしっかりと感じてほしいですね」

 新人投手では、6位の片山楽生投手(白樺学園、NTT東日本)が一足先に1軍デビューを果たした。「テレビで観ていました。2軍じゃファウルになっているかもしれませんが、やっぱり1軍のバッターは初球から捉えてきます。どの投手が投げても参考になるのですが、勉強になりました」と寺西。早い機会での1軍のデビューに備え研鑽を続ける。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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