厄介な怪我から復帰「怖さはなかった」も… 長期離脱の森友哉が吐露する“合流”の難しさ

オリックス・森友哉【写真:小林靖】
オリックス・森友哉【写真:小林靖】

右脇腹の筋損傷で離脱…森友哉は22日の2軍戦で実戦復帰

 開幕前に右脇腹を痛め、戦列を離れていた森友哉捕手が急ピッチで復帰への道を進んでいる。「悪くはなかったですね。割とスムーズに(ゲームに)入れました。もう、全力で振りましたよ」。復帰戦となった4月22日のウエスタン・リーグ、阪神戦(杉本商事BS)を笑顔で振り返った。

 アクシデントはオープン戦中盤の3月12日の中日戦(バンテリンドーム)で起きた。第1打席で二ゴロに倒れた時のスイングで右脇腹を痛め、筋損傷と診断された。治癒するまで時間がかかり、再発の恐れもあるやっかいな部位の肉離れ。森が開幕1軍を逃すのは、2017年3月の強化試合、キューバ戦で死球を受け左肘を骨折して以来のこと。その時はブルペンで捕手を務めるまでに4か月近くかかり、イースタン・リーグで試合復帰したのは8月だった。

 怪我の状態が異なり比較はできないが、今回の試合復帰までは異例のスピードだった。4月に入ってすぐに捕手練習に参加し、送球練習やダッシュも繰り返した。遅れていた打撃も10日には特打を始めた。
 
 復帰初戦は「2番・捕手」で先発。予定された3回まで守備を無難にこなしたほか、代名詞にもなっているフルスイングでの空振りもファンに披露した。打撃成績は四球と右飛で快音は聞かれなかったが、好球をファウルで逃して悔しがる場面もあった。とはい、1か月以上のブランクがあるだけに「あんなもんやと思います。フルスイングをして肉離れをしたのでなく、崩された時にしたので。しっかりと振るということに怖さはなかったんで」と冷静に受け止めていた。

「あとは打席に立って感覚が戻ればというところ」

 体への負担の少ない指名打者ではなく、捕手としての復帰に「守備練習はずっとやってきたので。投げることもやってきましたから」と説明。「治った後に再発しないように、体のコンディショニングがメインでした」というが、「(完全に)回復してから(練習を)やり始めるとどうしても遅れるんで、できることからやってきました」と早期復帰を目指して取り組んできたことを明かす。

 チームが開幕から好調なことも、順調な回復を支えている。「うれしいですよ。みんな頑張ってくれているんで。チームが強かったんで、あまり急いで作ろうとは思わずにいられました」。 復帰はもう間もなく。「1か月以上開いていますし、シーズン中の怪我ならすぐに戻れると思うんですが、まだ開幕していない状態での怪我だったんで」と合流の難しさも吐露する。

「バッティングは(一からではなく)継続してきたものをやっています。そんなにズレはないので、あとは打席に立って感覚が戻ればというところです。感覚が戻らないまま1軍に戻っても迷惑をかけるだけなんで」。研ぎ澄まされた感覚が戻った時、森友哉のバットが唸る。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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