0勝&防御率5.75も…「幸せな悩みだよね」 苦しむ燕・奥川恭伸、コーチが語る“現在地”

奥川はここまで4戦2敗、防御率5.75…小野寺コーチの“見解”
ヤクルトの背番号18が苦しんでいる。奥川恭伸投手は入団6年目の今季は初の開幕投手を務めるなど期待がかかるなか、4試合の先発で勝ち星なしの2敗、防御率5.75で被打率.333と結果が出ていない。未来のエースについて、入団当時から二人三脚で見守ってきた小野寺力投手コーチは「乗り越えないといけない」と語った。
巨人との開幕戦は6回7安打ながらも無失点と粘りの投球。その後は3試合でいずれも5失点。ここまで20回1/3を投げて15失点(自責点13)としている。
「確かに状態はよくはないです。不運な安打も多い。そんなときはあるし、乗り越えないといけないから。そのための精神力が必要。苦しい中でも勝てる投手になっていかないといけない存在です」
直球の平均球速は147~149キロだという。まだ奥川本来の力のあるボールを投げきれていないが、四球はわずか3個しか与えていない。「いいボールと悪いボールがはっきりしている。ただ、ストライクには投げられている。カウントや場面によっての投げどころだと思う。初回に点を取られちゃうので、そこを乗り越えたい」
奥川は2年目の2021年は9勝をマークしたが、2022年は肘痛などの影響で1試合の登板のみ。2023年は登板機会はなかった。2024年6月に復活勝利を挙げ、シーズン7試合に登板し3勝を挙げた。完全復活を印象づけたい今シーズン。スタートはつまづいた。小野寺コーチは4回8安打5失点(自責点3)で敗戦投手となった今月26日の中日戦後に奥川に伝えたことがあるという。
「『怪我で投げられなかった時期に比べたら、今は幸せな悩みだよね。投げられなくて苦しんでいた時とは違うよね』と話しました。負けた後で少し呆然としていたので、また改めて話そうと思います。どんな形でもいい。6回3失点でも、5回しか投げられなくても、勝てば流れが変わるきっかけになる。それが分かっているから高津監督もたぶん、結果が出ていなくても使っているんだと思います」
昨年まで2軍コーチを務め、奥川の1年目から指導し続けてきた小野寺コーチ。よき“兄貴分”は「ヤス(奥川)は野球小僧ですから。野球を楽しんでほしい。アイツは自分自身で切り拓いていく人間だから。とにかく一番は勝つことだと思います」とエールを送った。“壁”を乗り越える瞬間を待ち望んでいる。
(湯浅大 / Dai Yuasa)