不振で抹消…宮崎敏郎が苦しむ“30代後半の壁” ズレる感覚、村田Cが語る実体験

村田コーチ「技術は間違いなくあるし、努力する姿もみんな見ている」
DeNAの宮崎敏郎内野手が2日、再調整のため出場選手登録を外れた。36歳で迎えたプロ13年目の今季は22試合に出場して打率.230、0本塁打、5打点。81打席で12三振は本来の姿とは遠かった。村田修一野手コーチは「(12月で)37歳になるし、何かしらを変えるにはいいキッカケ。このまま終わっていくわけはない」と復活への期待を込めた。
自身は37歳まで現役を続けた村田コーチが、実感を込めて話す。「やはり自分のイメージと体のギャップですよね。振ろうとしたときにボールがきていたり、力を抜いて振ろうとしてもいらないところに力が入ったりする。自分のイメージしたところにバットが出てきていない。(年齢でギャップが)生まれますね。30歳を超えて一度あって、30代後半でもう一度。そこで待ち球だったり野球スタイルだったり構え方だったり、僕なんかも上にあったものがどんどん下がってきたし」。
とはいえ、2度の首位打者に輝いた好打者だ。村田コーチが「技術は間違いなくあるし、努力する姿もみんな見ている」と話すように、少し狂った歯車さえ戻ればその打力に疑う予知はない。勝敗、結果が絶対的に求められる1軍で状態を上げるには時間がかかるだけに、思い切った2軍調整も「若い選手にチャンスをくれたと思えば僕らも背中を押せますし、彼らがいい状態で戻って来る、それまでに若い選手がいい経験をしてチーム力は上がっていることを期待していきたいです」とプラスにするしかない。
宮崎は今年の春季キャンプは鹿児島・奄美大島のB班でじっくり調整。2月下旬に1軍に合流した。「そのときすごくよかったので、自分である程度調整する力は持っていると思うので、彼に託したいと思います」と再び顔を合わせる日を待っている。
筒香嘉智外野手も打撃不振で再調整となり、主力2人を欠く緊急事態となった。一方でこの日は九鬼隆平捕手が移籍後初の1軍昇格を果たし、1日には勝又温史外野手がプロ7年目で初めて1軍に上がって初打席に立つなど、若手にとっては大きなチャンスが到来している。「一気にこの状態をひっくり返すんだという気持ちでやってほしい。こいつら熱いな、なんとかしたいな、とこっちが思えるような姿勢で野球に取り組んでほしいと思います」と村田コーチ。主力2人が自分を取り戻すことと同様、若き才能が芽吹くこともDeNAにとって重要となる。
(町田利衣 / Rie Machida)