菅野智之が米で“初体験”「難しさあった」 不測の事態も乱れなかった35歳の投球術

菅野智之は57分間の雨中断も乗り越え、6回を投げ切った
【MLB】ロイヤルズ 4ー0 オリオールズ(日本時間4日・ボルティモア)
オリオールズの菅野智之投手は3日(日本時間4日)、本拠地ボルティモアで行われたロイヤルズ戦に先発登板し、6回を4安打2失点で2敗目(3勝)を喫した。チームは0-4で敗れ4勝目はならなかったが、3度目のクオリティ・スタートを記録。菅野は「調子自体はよくなかったですけど、その中でしっかり6回まで投げられたというのはよかったと思います」と振り返った。
今季7度目のマウンドは、不運が重なった。前回メジャー初勝利を挙げたロイヤルズと2度目の対戦。初回は2番のボビー・ウイットJr.から空振り三振を奪うなど、9球で3人で片付ける立ち上がりを見せた。だが、2回にマウンドに上がる前に試合が中断。激しい雨が降り、再開まで57分を要した。
アメリカ東海岸では雨での中断や試合開始が遅れることはよくあるが、初回を終えて中断となるのは珍しいケース。菅野は「長く野球をやってきて初めての経験だったので難しさもありましたけど、相手も同じ状況なので。気持ちを切らさないようにしました」。バイクをこいで体を動かしたり、投球練習も行いながら待ったが、再開後は「身体が重くなったりというのは感じました」と吐露した。
その中で6回まで試合をつくれた要因について右腕は「正直わからない。ただ、気持ちだけは切らさないようにしていた」と言う。この日の79球のうち速球系は40%弱で、その他の球種もまんべんなく使って緩急を操った。「前回のヤンキース戦でストレート系のボールを使いながらというピッチングが結果に結びついた。それが成功体験になったと思っている」。
その日の調子に合わせて多彩な球種を使い分ける投球術が光る。打線の援護がなく黒星が付いたのは不運だったが、先発陣にけが人が多い苦しいチームの中で、2試合続けて中4日でマウンドに上がって好投した35歳のオールドルーキーの存在感は増している。
「頼ってもらうというのは選手冥利につきると思います。とはいえまだ5月なんで、ガス欠にならないようにうまく準備しながらこの調子を保っていければいいかなと思います」。落ち着いた口調に貫禄が漂った。
(Full-Count編集部)
