西川龍馬に刺さった小学2年生のゲキ…思わずポロリ「エエこという」 立ち返った原点

4月19日の日本ハム戦前…小学生ファンが円陣で声出し
プロ10年目の打撃の天才が、小学2年生の野球少年の声出しに野球の原点を思い出し、プレーを続けている。
「ほんまに、エエこというなと思いました。カープ時代から聞いていた言葉ですから。これが一番大事なことだと改めて思いました」
西川龍馬外野手が“感銘”を受けた声出しの場面は、4月19日の日本ハム戦(京セラドーム)の試合前のこと。このカード3連戦では「あなたの夢叶えます presented by Bs選手会」を開催。ファンの夢を選手会が選び、球団が夢を叶えるお手伝いをするという内容のイベントで、アンダーソン・エスピノーザ投手と書道を楽しんだり、球場アナウンスを体験したりするほか、試合前のベンチ前での円陣・声出しも企画された。
この日の声出しは、背番号「7」のユニホーム姿の小学2年、「あおい君」。西川と紅林弘太郎内野手を両脇にしたあおい君は、「心は熱く、頭は冷静に。今日も勝ちましょう!」と大きな声で選手らを鼓舞した。この言葉に反応したのが西川だった。「エエこというなあ」。次に口を突いたのが「誰に仕込まれた? ヘッド(水本勝己ヘッドコーチ)か?」

選手やスタッフは大笑いだったが、西川にとっては印象深いフレーズだった。「カープ時代に、(コーチの)石井琢朗さんがよくおっしゃっていたのです」。広島で2軍監督を務めるなど、指導者経験が長かった水本ヘッドの名前がすっと出たのも、広島での若かった時代を思い出したからのようだ。
その夜は先発出場がなかった西川だが、以後の7試合で27打数9安打、5打点、打率333の活躍。4月30日のロッテ戦では、待望の先制の1号ソロも飛び出した。少年野球チームに所属しているあおい君に対し、西川は「楽しんで野球を続けてほしい」とアドバイスを送り、「心は熱く、頭は冷静に、という言葉はすべての野球につながりますから、大事にしたいですね」。20歳以上離れた野球少年の言葉を胸に、新たな思いでバットを振り続ける。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)




