“第2の山本由伸”誕生へ…ド軍38歳が力説する魔球の価値 ブーム浸透、消えた負のイメージ

ベテラン右腕が魔球スプリットを習得するまでの舞台裏
スプリットが再びメジャーリーグの中で脚光を浴びている。ドジャースでは大谷翔平投手、山本由伸投手、佐々木朗希投手ら日本人も使い手として知られるが、カービー・イエーツ投手も、この魔球を武器にメジャーでの地位を築いてきた一人だ。その魔球習得までの舞台裏を、地元紙が伝えている。
ロサンゼルスの地元紙「オレンジカウンティ・レジスター」のダグ・パディーヤ記者が1日(日本時間2日)に、この決め球をイエーツが習得するまでの逸話や、ドジャースの投手陣の中でも大きな武器となっていることを取り上げた。
かつてスプリットは肘の怪我の原因になると言われ、メジャーリーグでは評判が悪かった。しかし、同記事では「(今となっては)オオタニもトニー・ゴンソリンも肘の怪我をしたが、スプリットを投げることと結び付けられることはなかった」と、メジャーリーグでも潮目が変わってきたと指摘。デーブ・ロバーツ監督も「肘の怪我に繋がると間違った認識があった。でも、(スプリットは球種に加える)いい候補だ。(軌道が)速球と似ているからね」とコメントしている。
パディーヤ記者では、ドジャースをスプリットの使い手の「リーダー的存在であるため、その数は増えるかもしれない」とも分析。使い手の1人である38歳のイエーツに、投げ方の助言を求める投手の姿があるという。
イエーツ本人も「(以前は)選手やチームは肘の怪我に繋がることを恐れていたと思う。でも、手術の成功率が上がり、医師の技術も向上している。もう誰も故障することは恐れていないよね?」と語る。メジャーに定着したのは30歳頃で、エンゼルスに所属していた2017年にはスライダー主体の投球を勧められたというが、十分な成績を残せずにいた。
しかしパドレスに移籍し、スプリットの投球割合を増やした2018年に頭角を現すと、2019年には60試合に登板して防御率1.19をマーク。リーグ最多の41セーブを挙げ、オールスターゲームにも初選出された。
同記事によるとレイズのマイナー時代、フロントがイエーツの体型や投げ方がスプリットに向いていると伝え、それが習得のきっかけになったという。そして、アンドリュー・フリードマン編成本部長を含め、現在ドジャースのフロントを担う多くは、当時レイズにいたスタッフだったという。
(Full-Count編集部)
