エ軍、歴史的な投壊「7.02」 過去65年間で7球団のみ…終わりが見えない暗黒期

エンゼルスのカイル・ヘンドリックス【写真:Getty Images】
エンゼルスのカイル・ヘンドリックス【写真:Getty Images】

リリーフ陣が崩壊中のエンゼルス

“なおエ”の泥沼からは、まだまだ抜け出せないのだろうか。エンゼルスは今季もア・リーグ西地区最下位と苦戦が続いている。特にブルペンが壊滅的で、開幕から33試合を消化してリリーフの防御率が7点台を記録したのは、エンゼルスが参入した1961年以降で7球団しかないという屈辱の数字だ。

 エンゼルスは今季、レッドソックスからFAとなっていたケンリー・ジャンセン投手を獲得。ドジャースで長きにわたりクローザーを務め、昨季まで現役最多の447セーブを記録していた37歳に守護神を託した。

 ジャンセンは開幕からセーブを重ねてきたものの、2日(日本時間3日)のタイガース戦では3本塁打を浴びて6失点と炎上。しかし、他のブルペン陣はさらに深刻な状況だ。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のサム・ブラム記者は6日(日本時間7日)の記事で壊滅的な状況を報じている。

 ブラム記者は「ブルペンで早いイニングを担う投手たちが信頼できていない」と指摘。チームの勝利を増やしたかを表すセイバーメトリクスの指標「WAR」では、エンゼルスがこれまでに起用した16人のリリーフ投手のうち15人が0.0以下で、プラスを記録しているのはライアン・ゼファジャン投手のみ。故障者の復帰の可能性を期待しつつも「当面の間、エンゼルスには頼れる(ブルペンの)選択肢が限られたままだ」と指摘している。

 1イニング以上投げたリリーフ投手で、防御率が最も良いのはゼファジャンの4.22。1イニング未満では、6日(同7日)に移籍後初登板で2/3回を投げたヘクター・ネリス投手が防御率0.00だが、移籍前はブレーブスで2試合に登板して防御率45.00と乱調だった。もう1人、野手登板したニッキー・ロペス内野手が1/3回で防御率0.00をマークしているが、既にカブスに移籍している。

 MLB公式のブレント・マグワイア記者は6日(同7日)、自身のX(旧ツイッター)に「エンゼルスは、エクスパンション時代(1961年以降)において、シーズン最初の33試合でブルペンの防御率が7.00以上となった7番目のチームだ。過去15年間で、シーズン最初の33試合を終えた時点で、これほどブルペンの防御率が悪かったチームは存在しなかった(2010年のDバックス以来)」と投稿。ワースト7位までの表を掲載し、今季のエンゼルスは「7.02」で7位に入った。

 ドジャースの大谷翔平投手が所属していた頃から「大谷は活躍した。なお、エンゼルスは敗れた」を略した「なおエ」というネットスラングが日本のファンの間で話題となったエンゼルス。大黒柱のマイク・トラウト外野手も2日(同3日)に10日間の負傷者リスト入り。攻守に課題を抱えたまま、なかなか低迷から脱する道筋が見えてこない。

(Full-Count編集部)

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