菊池雄星、初勝利ならずも悲壮感なし「自分の仕事を」 古巣との対戦は「めちゃ楽しい」

古巣・ブルージェイズ戦で6回6奪三振1失点「戦友たちと戦える。すごく楽しい」
■エンゼルス 5ー4 ブルージェイズ(日本時間8日・アナハイム)
エンゼルスの菊池雄星投手は7日(日本時間8日)、本拠地のブルージェイズ戦で先発し、6回6奪三振5安打1失点と好投。移籍8試合目の登板も初勝利はならなかった。チームは2点を追う9回に逆転サヨナラ勝ち。2連勝を飾った。
「自分の仕事をしていれば必ずチームが勝つチャンスは増えますから。今日のように試合を作っていればいい方向に行くと思います」。試合後、Tシャツ姿で取材に応じた菊池に悲壮感はなかった。
状態も上がってきた。フォーシームは今季最速97.0マイル(約156.1キロ)をマーク。逆方向を狙ってくるブルージェイズ打線に対し、内角スライダーと「(昨季まで)割合は少なかったし、自信のあるボールではなかった」というチェンジアップを外角低めに沈めた。
「先週ぐらいから非常にいいボールが増えてきた感じがしましたので。今年に入って一番いいボールがいったと思います。(球速は)出そうと思えば、97、98マイルは出ると思うんですけど、バランスよく投げようと思った結果、球速が上がってきているのは調子がいい時のバロメーターですし、他の変化球も効果的に使えている。いい方向にいっている」
この日は2022年から2024年途中まで所属したブルージェイズが相手だった。ビシェット、ゲレーロJr.、スプリンガーら多くの主力とプレーしてきた。笑顔で振り返った。
「めちゃ楽しかったです。かけがえのない3年間を過ごした戦友たちと戦えるので。すごく楽しいですし、試合中もアイコンタクトをとりながら対戦しました。僕のことを知っているとはいえ、キャンプぐらいでしか対戦しないですから。仲間と対戦するのは楽しいですね」
ワシントン監督は「素晴らしかった。よく戦ってくれた。0-0の試合では、いつ崩れるか分からないものだ」と称えた。チームは大型7連敗が響き、地区最下位のままだ。菊池は「チームにとっても、ここが踏ん張りどころですから、この2試合を勝ったのは大きいですし、まだ5月ですので、諦めずにやっていきたいと思います」と表情を引き締めていた。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)