松井秀喜氏が巨人若手に問う「準備できているか」 岡本和真離脱も…古巣に求めること

野球教室に参加した松井秀喜氏【写真:宮脇広久】
野球教室に参加した松井秀喜氏【写真:宮脇広久】

代表理事を務めるNPO法人が都内で野球教室を開催した

 巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(ヤンキースGM付特別アドバイザー)が代表理事を務めるNPO法人「Matsui 55 Baseball Foundation」は10日、都内で少年野球教室を開催。松井氏は終了後報道陣の取材に応じ、主砲・岡本和真内野手の戦線離脱で苦境に立つ古巣巨人へエールを送った。

 生活拠点を置くニューヨークから来日し、今月7日に東京ドームで行われた巨人-阪神戦のテレビ中継で特別解説を務めた松井氏。前日(6日)の同カードで、岡本が守備中に打者走者と交錯して左肘を痛め、長期離脱を避けられない状況に陥ったとあって、古巣の現状はよくわかっている。「4番バッターがいなくなったので、状況的には厳しい」と指摘した上で、「僕はただ応援しているだけですが、シーズンは長いですから、みんなでカバーしながら先を見据えて戦っていってほしいと思います」とエールを送った。

 一方、現状の巨人では、背番号「55」の後継者で、松井氏自身が昨年2月に巨人宮崎キャンプで臨時コーチを務めた際に直接指導した秋広優人内野手、7日に今季初の1軍昇格を果たしたばかりの2022年ドラフト1位・浅野翔吾外野手ら若手が、岡本不在中の穴を埋める存在として期待されている。松井氏は「逆にこういう状況は、若い選手にとって試合に出て、自分の力を発揮できるチャンス。そういう所で将来への足掛かりをつかむ選手もいるわけですから、そうなる準備ができているかどうかということではないですか?」と少し強い口調で語った。

 チャンスが来てから慌てて準備するのでは遅い。3月に新設されたファーム施設「ジャイアンツタウン」には、松井氏が若手時代に普段から素振りを繰り返したことでボロボロに擦り切れた旧ジャイアンツ寮の自室の畳が保管・展示されている。1軍で安定した成績を残すには何が大切なのか、松井氏の経てきた道が物語っている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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