大谷翔平に二盗をさせた理由 失敗なら敗色濃厚も…背景にド軍の苦しい台所事情

1点を追う延長10回1死一、三塁で打者フリーマン、一走・大谷が二盗を決めた
【MLB】ドジャース 4ー3 Dバックス(日本時間21日・ロサンゼルス)
走者・大谷翔平が勝負を決める一手となった。1点差に迫った延長10回1死一、三塁で、打者はフリーマン。一塁走者・大谷は同点狙いで走らないでも良い場面だったが、フリーマンへの2球目で二盗を決めた。
盗塁成功率が高い大谷とはいえ、仮に盗塁失敗していれば勝機は大きく遠のく場面だった。だが、ロバーツ監督には大谷の盗塁企画に一切の迷いはなかったという。
「ショウヘイが盗塁をして、フレディ(フリーマン)は歩かされる可能性があった。でも、あの状況ではあまり投手が残っていなかった。だから同点ではなく、勝ちにいく判断だった。延長のままだったら、いい形で試合を終えることはできなかっただろう。だから、勝利を決める走者を二塁に置くことは極めて重要なことだった」
案の定、フリーマンは申告敬遠で勝負を避けられたが、1死満塁からスミスの押し出し死球で同点に。大谷は三塁へ進塁し、マンシーの中犠飛でサヨナラ生還した。
山本由伸が7回1安打無失点と好投。しかし、ブルペン陣の台所事情は厳しく、1月に4年総額7200万ドル(約104億円)で加入した救援左腕タナー・スコットは移籍後初の1試合2被弾。仮に延長11回に突入していれば、延長10回途中から救援していた左腕アンソニー・バンダはイニングまたぎで続投する予定だったという。
「アンソニーには前回2イニング投げさせて、また今日も出てもらった。タナーも温存したかったけど、限界だった。ヤマモトの登板日に負けるのは痛すぎるから何としても勝ちたかった。ブルペン陣はすでに疲れていて、これ以上はリスクが大きいと判断した」
ドジャースでは14投手が負傷者リスト入り。先発陣ではスネルにグラスノー、佐々木朗希がILに載り、救援陣ではフィリップス、トライネン、イエーツ、グラテロルら実績のある投手たちが戦線離脱している。ナ・リーグ西地区首位に立っているとはいえ、しばらくはギリギリの采配となりそうだ。