ド軍を支える“金塊”…年俸1億円も球界最高「1.1」 佐々木朗希を凌ぐ黄金ルーキー

ドジャースのベン・カスパリアス【写真:Getty Images】
ドジャースのベン・カスパリアス【写真:Getty Images】

本職は先発も…カスパリウス「どんな状況にも慣れすぎないことが大切」

 ドジャースは昨オフも大型補強を展開したものの、投手陣を中心に故障者が続出。29日(日本時間30日)時点で計13人が負傷者リストに入っている。4年7200万ドル(約104億円)で加入したタナー・スコット投手が振るわない中、チームを救っているのがベン・カスパリウス投手だ。

 26歳ルーキーはセットアップ、回跨ぎなど多用な役割をこなし、ここまで18試合に登板して4勝0敗、防御率2.80をマーク。13試合で複数イニングを投げており、5日(同6日)のマーリンズ戦はオープナー後の2番手として2回から登板。4イニングを投げて4勝目を手にした。

 光るのが内容の良さだ。奪三振率10.19、与四球率1.65、被本塁打率0.28と無駄な走者を出さず、不用意な一発を浴びていない。結果として、米データサイト「ファングラフス」の勝利貢献度は1.1を記録し、実は救援投手ではメジャートップに立っている。

「本当にえげつない」「球界屈指のリリーフの一人になった」とLAファンも信頼を置く右腕。「NBCスポーツ」は「ドジャースの救援陣で重要な役割を担うカスパリウス、“混沌”を受け入れる」との見出しで活躍を特集している。「今オフにブレイク・スネルとロウキ・ササキという目玉投手2人を補強した。しかし、そうしたビッグネームの陰で、今年の優勝争いで重要な役割を果たしているのは、新人救援投手のベン・カスパリウスだ」と称賛を惜しまない。

 本職は先発だったが、チーム事情でリリーフに転向。同メディアのインタビューに応じたカスパリウスは、「どんな状況にも慣れすぎないことが大切なんです」と笑顔を見せた。「先発であれ、9回、8回、あるいは4〜6回に登板するにしても、日々の準備を一定に保つことが大事。状況にラベルを貼らず、さまざまな局面で投げることに対応する。今は救援としての立場でやっていて、それでチームに貢献できるなら、それで構いません」と自身の役回りを理解している。

 今季は新たにカットボールをレパートリーに加えた。さらに、リリース時の腕の角度も42度から47度に変えたという。「データを見たわけじゃないんです。ただ“滑らかで速く”を意識して、自分らしい動きのままで最後の瞬間に加速する。それだけです」と感覚的に変えたのが今季の成績を後押ししているうようだ。

「リリーフの経験は先発にも良い影響を与えているよ。1球1球に集中する癖がついたし、先を読みすぎず“今”に集中できるようになった」とブルペン転向で得た発見を語りつつも、「いずれは先発としてやれるだけのスタミナと球種を持っていると思います」とカスパリウス。先発への希望を語りつつも「今はチームのニーズが優先」とし、火の車状態のブルペン陣を支える覚悟を語った。

(Full-Count編集部)

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