メッツ千賀、快投で勝利も“笑わない男” 「勝っても負けても同じ」泰然自若を貫く

初回に被弾後は17人連続アウトの快投
【MLB】メッツ 8ー2 ロッキーズ(日本時間1日・ニューヨーク)
メッツの千賀滉大投手が31日(日本時間6月1日)、本拠地ニューヨークでのロッキーズ戦に先発登板。6回1/3を2安打2失点に抑えて、今季6勝目(3敗)をマークした。
11試合目の登板は、92球で7回途中まで投げて7奪三振。5度目のクオリティースタートを記録し、先発の仕事を果たした。相性のいい本拠地では23試合目の登板で、11勝4敗となった。メッツは不振のフアン・ソト外野手が9日(同10日)以来となる一発を放つなど打線がつながり、8-2で快勝した。
チームの総得点と打率、OPSが30球団で最下位のロッキーズが相手。千賀は1回に先頭打者を追い込んでから、打者のピッチクロック違反で自動ストライクによる三振を奪うスタートとなった。だが、2番のエセキエル・トーバー内野手にフォークを左翼席に運ばれ、1点を先制された。
その裏に味方打線が4点を奪って逆転すると、2回以降は速球主体でストライクを先行させて6回まで無安打投球。7回に失点して降板したが、本塁打を打たれた後は17人連続でアウトを重ねるなど、試合の中での修正能力を示した。カルロス・メンドーサ監督は「全ての球種が効果的で打者を攻め込めていたし、ストライクを先行させていた。とても手堅い登板だった」と評価した。
球団の歴史では3番目の優れた記録
千賀はこれで再び規定投球回に到達し、防御率1.60でナ・リーグのトップに浮上した。メジャー全体では3番目に良い数字だが、「数日したらまた消えるようなイニング数しか投げていないですし、とにかくちゃんといい終わり方をしたい」とコメント。「球数がかさんで、ばたついて交代というのが続いている。数字についてはまだまだ先も長いので、本当に何も思っていないです。今、やるべきことをやっていい成績で終われるように」と泰然自若を貫いた。
この試合前までは10試合に先発して防御率は1.46だった。これはシーズン最初の10試合では、2021年のジェイコブ・デグロムの防御率0.56、1988年のデービッド・コーンの防御率1.38に次ぎ、球団史上3番目に優れた数字だ。11先発の括りでは史上5番目に良い記録。昨季のけがから完全復活を目指す3年目はメッツの歴史に残るほどの好スタートとなった。
それでも、前回に続いて勝利投手になったにも関わらず、試合後はあまり嬉しそうな表情を見せていなかった千賀。むしろ、終盤に失点する傾向を反省する言葉が出た。「これでシーズン終わりならいいですけど長いので、まだまだ。ずっと一定。勝っても負けても僕はこんな感じです」。一喜一憂しない姿に、エースとしての風格が漂っている。
(Full-Count編集部)