有原航平が「背負っている」もの、首脳陣目線で語るリアルな現状「数字だけを見てしまうと…」

3日から始まる交流戦へ「攻める気持ちで」
ソフトバンクは2日、みずほPayPayドームで投手練習を行った。有原航平投手、東浜巨投手ら6人が参加。それぞれの調整を行った。練習後、倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じた。3日から始まる交流戦の展望、今後の起用について言及した。一問一答は以下の通り。
――交流戦が始まる。
「普段対戦していないバッターが多いので、オープン戦や去年の交流戦とは状態も違うだろうし。とにかく自分のベストのパフォーマンスを出すことが前提になる。あまり考えすぎずに。攻める気持ちで投げてほしいです」
――有原投手への期待。
「期待はいつもしています。チームの中心選手なので」
――9試合に登板して2勝5敗、防御率4.35。どんなところに修正を。
「色々あるとは思います。僕は勝ちがついていない、とかはあまり気にしていないです。いかにチームを勝利に導ける役割を果たせるか。数字だけを見てしまうと『あれ』って印象になるかもしれないですけど。もちろん、求めるところはもっと高いところにありますけど、必ずやってくれると思います」
――兆しは見えている。
「状態自体はいい方、いい部類に入っていると思う。細かいところは本人の感覚ですから。チームを勝たせる投球をしてほしいです」
――有原投手が結果を残せば、チームとしても勢いに乗っていく。
「中心選手なので、有原がビシッとしてくれたらチームも乗ってくると思う。そういうところは求められる選手だと思います」
――本人は「勝ち」という言葉を口にする。結果にこだわるところもあると思うが、首脳陣としてはその気持ちをどう受け取っているか。
「自分というよりはチームの勝ちだと思います。例えば(前回登板、5月27日の日本ハム戦)8回、同点で終わって延長で勝っていればいいピッチングだったと終わるかもしれないけど、実際チームが負けてしまっているので。チームの勝ち負けを背負っている投手だと思いますから。自分の負けはチームの負けになるんですけど、それだけのものを背負っているし、それが中心選手ですから。勝ちに導かないといけなかったと思うし、でもあそこまでよく投げたと僕は思っているし。これからもっともっとチームが勝てるような投球をしてくれたらと期待しています」
プロ初登板の大野稼頭央が好投「素晴らしい」
――大野投手が1日の楽天戦でプロ初登板を果たし、好投した。
「どれだけああいう投球ができるのか、こっち(1軍)で見たいです。本当に素晴らしかったんですけど、選手の評価というのはその印象がまずは大事。あとは悪い時を見たいんです。悪い時にどういう投球をするかでその選手の評価がある程度、僕の中ではできる。いい時は誰でもいいので。悪かった時にどうできるのか、が選手の本当の実力だと思います。そういう意味ではまだ見えていないです。まだ1試合しか投げていないので当然ですけど」
「でも、本当に素晴らしい成長を見せてくれていると思います。高卒3年目で、今年2軍で出始めて抑えてきた。成長曲線というのは急激に上がったと思う。本人の努力プラス、ファームのスタッフのおかげだと思います。そういう意味ではすごく楽しみです。大野だけではなくて他の投手も伸びてきているので」
――同じく1日の楽天戦、先発した松本晴投手は3回2/3を投げて3失点。悪い時にどうするのかが次の課題になる。
「まさにその通りです。悪い時のピッチングが上がらないと、1軍でシーズンを通して戦っていくのは難しい。その辺を上げられるようにサポートしていきたいです」
――大野投手が成長したところ。
「真っすぐの出力が高くなったんですけど、安定するようになりました。出力を上げながらコントロールをよくするっていうのは。なかなかすごい成長ですよね」

松本裕樹は“制限なし”「状態は確認しています」
――交流戦になると、代打の絡みなど継投にも影響が及ぶ。どんなふうに戦っていきたいか。
「考えることは多くなります。中継ぎの投手も、パ・リーグ相手の時よりは多くなるし。代え時も難しくなる。いいピッチングをしていても、点を取りにいく時に代打となるかもしれない。そこは少し違うところ。かなり神経を使うことになると思います」
――連投や、準備の回数など、選手に理解してもらうことも。
「そこはもちろんです。毎年の交流戦や日本シリーズもそうですし、中継ぎの投手はみんなわかっているので。いつもより大変になることは」
――松本裕樹投手は、制限なしの状態?
「そうですね。連投もしていますし。ただ、大事にというか。去年と同じような状態にならないように日々、状態は確認しています」
――オスナ投手も状態が上向いてきている印象。
「僕もそういう印象ですね。コントロールが安定してきているので。出力は元々、悪くなかったんですけど、精度がよくなってきているので」
――投手が打席に立つことになる。何を求める?
「ホームランです。嘘です(笑)。とにかくバントですね。そこは決めてもらいたいなと思います」
(竹村岳 / Gaku Takemura)

