長嶋茂雄氏と対面も「ホッとした」 王貞治氏が19分の会見で明かした“最後の時”

会見で取材に応じたソフトバンク・王貞治球団会長【写真:松本洸】
会見で取材に応じたソフトバンク・王貞治球団会長【写真:松本洸】

王氏「一番きて欲しくない人に来てしまった」

 巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんが3日、肺炎のため89歳で死去した。巨人時代に“ONコンビ”として一時代を築いたソフトバンクの王貞治球団会長が東京都内で取材に応じ、長嶋氏との最後の“対面”を回顧。「残念なこともあるけど、そこに長嶋さんがいたことにホッとしました」と、憔悴しながらも19分間に及んだ緊急会見で言葉を紡いだ。

 報道陣約50人、テレビカメラ7台が集結した会見場に、王会長は喪服姿で登場した。憔悴しきった様子で語り出し、現役時代に“ONコンビ”として活躍した当時を振り返りながら「「打てなくても落ち込むこともなく、打ったから偉そうにするでもないし。はっきりいって不思議な存在」「存在感ではかなわないので、バットで示すしかなかった」などと話した。

 そして、話は今朝の訃報の話に及んだ。長嶋氏は午前6時39分に亡くなり、その後NHKなどでも一斉速報される衝撃のニュースだった。王会長はその後、長嶋さんの自宅に向かい、「暗い気持ちでしかなかった」と顔が曇ったという。それでも「顔みてホッとしました」。「長嶋茂雄という人がそこにいた。そこで顔を見ることができて、残念なこともあるけど、そこに長嶋さんがいたことにホッとしました。嬉しかったです」と振り返った。

「誰にでも来る時ですけど、一番きて欲しくない人に来てしまった。でも日本中の野球ファンだけじゃなくて、長嶋茂雄ファンの思いは、日本中をかけめぐって、乗り移って、こういう形でね。朝から長嶋さんのニュースばかりでしたからね。その熱気は冷めないと思います。それくらい特別な存在でした」と、訃報が日本中を駆け巡り、今もなお存在の大きさを感じさせる扱いに感銘を受けたという。

「ありがとうございましたという言葉で全てを表せると思います。プロ野球が長嶋さんの方をむいていた。投手もそうでした。常に特別な存在でした」と思いを口にし、「存在の大きさを思っていたけど、それ以上の思いを新たに思い知らされた」と、“別れ”を経てなお偉大さを感じさせる長嶋さんに、改めて敬意を込めた。

(Full-Count編集部)

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