試合前、ド軍ロッカーから姿を消した右腕 私服姿で悲壮…わずか1週間での“戦力外通告”

ドジャースからDFAとなったクリス・ストラットン【写真:Getty Images】
ドジャースからDFAとなったクリス・ストラットン【写真:Getty Images】

ド軍を“戦力外”となった右腕…ロッカーの逆サイドにはトレード加入の若手右腕

 入れ替わりの激しいメジャーの厳しさを感じる場面だった。ドジャースは2日(日本時間3日)、本拠地でのメッツ4連戦カード初戦を戦った。試合前には、1人の右腕がユニホームを着ることなくロッカーを静かに去っていった。

 チームは試合前に、マリナーズのウィル・クライン投手をトレードで獲得したことを発表。一方でクリス・ストラットン投手がメジャー出場全体の40人枠から外れる措置、DFA(事実上の戦力外)となった。25歳のクラインは、早速合流し、まだネームビジョンに名前が表示されていないロッカーでスタッフから説明を受け、練習着に着替えていた。足元に置かれたマリナーズのボストンバッグが、急な移籍の知らせであったことを感じさせた。

 クラインの逆サイドのロッカーには、悲壮感を漂わせるストラットンが背を向けて座っていた。DFAを告げられた直後だと思われるが、重たい動きでチームのウエアから私服に着替えていた。もう投手陣は集合してストレッチを行う時間だが、選手がほとんどいないロッカーで、ひとり静かに荷物をまとめていた。

 34歳のストラットンは25日(同26日)にロイヤルズをDFAとなり、ドジャースが獲得。加入からわずか1週間、2試合に登板しただけで、ロッカーはまだ綺麗だった。通りかかったカーショー、バンダ、エドマンからは声をかけられ、ストラットンはどこか申し訳なさそうにハグと握手で別れを惜しんでいた。

 日本よりも遥かに目まぐるしいメジャーの移籍。ロースター入りを掴んだ選手もいれば、それと同じ数、チームを去る選手がいる。メジャーの30球団で日々、出会いと別れが繰り返されている。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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