TJ手術後の吉田輝星「喜んではダメ」 復活へ…明かした“完成形”「時間足りない」

吉田輝星、リハビリ期間は「思っていたより時間が足りません」
復活の道のりを、順調に進む。オリックスの吉田輝星投手が、地道なリハビリ生活もポジティブに過ごしている。右肘トミー・ジョン手術から約3か月が経ち「筋力などの回復はそろそろ達成できそうです。今は手術前よりも(体を)強くしていくフェーズに入ったかなと。回復だけを考えるんじゃなくて、そこを通り越してプラスにしていく段階かなと思います」と心境を明かした。
大阪・舞洲の球団施設。半袖姿からパンパンに鍛えた腕を見せる。ウエートルームでは仲間たちと切磋琢磨しながらトレーニングを進める。「マスを1つ進んで『イエーイ!』って喜んでいる場合でもないので。着実に進んでいかないと。3、4個のマスを進んで、そこでまた強くなれる。そう思って取り組んでいます」。描いたプランの沿って、充実の練習期間を過ごしている。
オリックスに加入した昨季は救援として50試合に登板。ピンチを封じるシーンも目立ち、4勝0敗14ホールドで防御率は3.32を記録した。昨季終盤に右肘を疲労骨折。今年2月17日、春季キャンプ中に右肘検査のために宮崎から緊急帰阪し、球団は20日に右肘内側側副靱帯機能不全、右肘内側側副靱帯遠位部骨片剥離との診断を受けたと発表していた。
3月7日に大阪府内の病院にて右肘内側側副靭帯再建術、鏡視下右肘頭骨棘切除術を行い、その後はリハビリ生活を送っている。最近では近距離でのキャッチボールを行うまでの回復を見せており「やっぱり、楽しさを感じましたね」と安堵の表情を浮かべた。
ただ、一呼吸を置くと「3か月ぶりに投げることができました。ただ、キャッチボールができただけで喜んでいてはダメなんです。今までは当たり前にできていたことなので。強くなって戻ることが目標。最近は時間がないな……とも感じています」と、汗を拭った。
108つの縫い目を見つめると「30%の力で投げることは今までになかった感覚です。今は(限度が)30球以内になっているので、投げ始めると一瞬で終わる感覚ですね」と1球も無駄にはしない。
強度や可動域など、練習メニューが制限される場合もあるが「限られた中でも、楽しみ方は絶対にある。今はご飯の量を増やして、トレーニングに励んでいます。思っていたよりは時間が足りませんね」と爽やかに風を浴びる。復活に向けて闘志を内に秘める。輝く未来しか見ていない。
(真柴健 / Ken Mashiba)

