6月注目のドジャースvsパドレス全7戦 斎藤隆氏が4勝3敗の結末を願う理由

ナ・リーグ西地区の覇権を競う2チームが今季初対決
メジャー屈指の激戦区との呼び声も高いナ・リーグ西地区。今季はロッキーズが大幅に出遅れた中、ドジャース、パドレス、ジャイアンツの攻防をダイヤモンドバックスが追走する形となっている。ドジャースには大谷翔平選手、山本由伸投手、佐々木朗希投手、パドレスにはダルビッシュ有投手、松井裕樹投手と日本を代表する選手もズラリと並び、日本からの注目度も高い。
2023年から各チームが全球団と対戦するようになってから、年間162試合のうち同地区4球団との対戦は合計76試合から52試合へ大幅に減少した。そのため、かつては毎月のように行われた同地区対決=地区順位を大きく動かす直接対決の価値と希少性がグンと高まった。
そして6月、ナ・リーグ西地区における前半戦のヤマ場、ドジャースvsパドレス全7戦が行われる。今季初となる両チームの対決を、誰よりも心待ちにしている人がいる。2006年から3シーズンにわたりドジャースでプレーし、2015年11月から2019年までフロントオフィスの一員としてパドレスを支えた斎藤隆氏だ。この日、注目の対戦を前にスポナビ×『アベマMLB』特別コラボ企画の収録を終えた斎藤氏に話を聞いた。
両チームの初顔合わせが6月となったことに「新鮮な気がしますね」と笑顔を浮かべる斎藤氏。縁の深い両チームの対戦となると、どちらに心が傾くのか、選択が難しそうだ。
「そう! 悩むんです(笑)。ただ、引退後にお世話になった、勉強させてもらった4年間があるので、パドレスへ大きく傾きますね。今のチームが出来上がる過程を間近で見ることができた。実際に(フェルナンド・)タティスJr.とか(マニー・)マチャドとか中軸で活躍していると、やっぱり思い入れは違いますよね」
パドレスは2016年にタティスJr.をホワイトソックスからトレードで獲得、2019年にFAだったマチャドと10年の長期契約を結んだ。当時、AJ・プレラーGMの補佐役も務めた斎藤氏は、傘下マイナー球団を巡回してプロスペクトと呼ばれる有望株の成長具合を報告したり、チーム強化に関するミーティングには必ず列席した。
「幸運にもタティスJr.はマイナー時代から見ているし、(2019年FA戦線で)マチャドを取るか、(ブライス・)ハーパーを取るか、みたいなところも絡んでいるので、今の野球ができあがった本当のスタートを知っているから、見ていて面白い。AJ(・プレラーGM)の苦労や少し足踏みした時間も知っているから、なおのこと。ようやくチームとしてまとまってきたと思います。加えて、パドレスはAJ、強化責任者のローガン・ホワイトなどスカウトからの叩き上げがトップに多いので、打線もいいし、守備力もある。投手陣は後ろの7・8・9回と盤石で、本当に楽しい野球をするチームになりましたね」
フロント時代にチームの基盤を目撃「この地区を激戦にしているのは…」
かつてナ・リーグ西地区はドジャースとジャイアンツのライバル対決が注目を浴びたが、2013年以降は昨年までの12年間、2021年を除きドジャースが11度地区優勝を飾っている。大谷をはじめ、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリードマンらスター選手がズラリ。その牙城を切り崩そうというのがパドレスだ。
「パドレスもスター軍団と言っていいメンバーなのに、ドジャースが桁外れ(笑)。ドジャースを追い越すチーム作りをしてきた中で、昨年は実際に直接対決では勝っておきながら(8勝5敗)優勝には届かなかった。勢いとしては本当にパドレスから目が離せないし、この地区を激戦にしているのはドジャースではなく、パドレスだなという思いはあります」
はたして今季こそ、パドレスはドジャースの優勝を阻止できるのか、はたまたドジャースが地区4連覇を飾るのか。前半戦のポイントが日本時間6月10日からの3連戦、17日からの4連戦となる。斎藤氏は「極端な話になってほしくないんですよね……」と言葉を続ける。
「要はほぼ5分でいってもらわないと、後の楽しみが減ってしまうので(笑)。万が一、7スイープのようにどちらかに偏るのだけはやめてほしい。願わくば4勝3敗で。というのも、8月に残る6戦は、また違った対決になると思うんですよ。ダルビッシュ投手が帰ってきたパドレス、大谷選手が二刀流として帰ってきたドジャース。ここに重きを置きたいので、続きが楽しめるように6月は4勝3敗がいいですね。色が全く違う2チームで、やはり破壊力のあるドジャースは強いけど、競ったら総合力で勝るパドレス。そんなことを言っていると、ジャイアンツやダイヤモンドバックスの追い上げもあるから、この地区は面白いですね」
いよいよ迎える天王山。6月の全7戦は、ドジャースとパドレス、はたしてどちらに軍配があがるのか。
○ABEMAではドジャースvsパドレス全7戦を生中継
放送期間:6月10日(火)~13日(木)、17日(火)~20日(木)
初戦(10日)には五十嵐亮太氏、川﨑宗則氏、杉谷拳士氏による豪華トリプル解説。そのほかの試合にもMLBを熱くお届けする豪華解説陣が続々出演予定。
○スポナビ×『アベマMLB』 特別コラボ企画(YouTube配信)
スポーツナビと連携したオリジナル動画コンテンツをABEMAおよびスポナビのYouTubeチャンネルで配信。
ドジャースでプレー経験のある斎藤隆氏、佐々木朗希投手のロッテ時代の監督でもあった井口資仁氏らMLB経験者と、MLBジャーナリスト・AKI猪瀬氏をゲストに招き、ドジャースvsパドレス戦をより深掘り&楽しめるスペシャルトークをお届け。
配信予定日:
第1回 スポナビ公開:6月7日(土)正午 ABEMA公開:6月8日(日)正午
第2回 スポナビ公開:6月14日(土)正午 ABEMA公開:6月15日(日)正午
(佐藤直子 / Naoko Sato)