打撃だけではないジャッジの“真の凄み” 比較対象はルースだけ…「14.4」が示す衝撃ペース

ヤンキースのアーロン・ジャッジ【写真:Getty Images】
ヤンキースのアーロン・ジャッジ【写真:Getty Images】

歴代最高fWARが1926年のベーブ・ルースで14.7

 歴代最高のシーズンが誕生するかもしれない。ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手は9日(日本時間10日)時点で64試合に出場し、メジャー1位の打率.396、OPS1.264をマーク。23本塁打と55打点は僅差のリーグ2位に位置し、3冠王も視界に捉えている。もっとも、打撃3部門だけではその真価が見えてこない。今季の“貢献度”はメジャー史上最高を更新する可能性もある。

 今季のジャッジは自慢のパワーに加えて、ヒットを量産するなど円熟味のシーズンを過ごしている。開幕48試合目、5月21日(同22日)まで打率4割を維持。その後に数字を落としたかと思いきや、8日(同9日)のレッドソックス戦では22&23号を含む3安打の活躍。打率.396まで持ち直してみせた。

 64試合中15試合は指名打者での出場だが、右翼手としても守備でどれだけの失点を防いだかを示す「DRS」は+1で、リーグ平均以上を維持。身長201センチ、体重127キロの巨体ながらも5盗塁も決めており、“ただ打てる”だけの選手ではない。

 走攻守すべてを評価し、勝利に換算する「WAR(Wins Above Replacement)」は今季5.7に達している(米データサイト「ファングラフス」版)。もちろんメジャー1位に立っているが、162試合換算では異次元の14.4ペース。WARの歴代記録は1923年のベーブ・ルースが記録した14.7であり、ジャッジがヤンキースの“先輩”でもある史上最高のプレーヤーに肉薄しているというのだから、改めて今季がいかに驚異的か分かるだろう。

 ジャッジ自身はア・リーグ新記録の62本塁打を放った2022年にWAR11.1、58本塁打&144打点を記録した昨季がWAR11.2を記録。いずれも伝説的シーズンだったが、自らその“壁”を乗り越えようとしている。驚愕の事実に米ファンも「アーロン・ジャッジが史上最高のシーズンを送る可能性が十分に現実的」「生涯最高の打者を目撃できるこの瞬間を楽しんで」「ジャッジがいる喜び」など称賛を惜しまない。果たして、現役最高の打者は今季どんな成績を残してくれるのだろうか。

(Full-Count編集部)

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