大谷翔平にボンズ超えの可能性 倍以上の差も…永遠のライバルとの“別れ”が追い風か

大谷が達成困難な記録と、更新可能性のある記録
今後、レジェンドの背中が見えてくるのだろうか。ドジャースの大谷翔平投手は16日(日本時間17日)、本拠地のパドレス戦に投打同時出場し、投手としては663日ぶりにマウンドに立った。米スポーツメディアは、バリー・ボンズ氏が残した歴代最多の「7回」の記録を、大谷が塗り替える可能性があると指摘した。
その記録とは、シーズンMVPの受賞回数。ボンズ氏は史上最多の7回を記録しており、大谷は現在3回だ。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は、大谷が投手として復帰登板する試合前の16日(同17日)に「ショウヘイ・オオタニは歴史を作り、バリー・ボンズのMVP記録を破ることができるか?」と題した記事を公開した。
JJ・ベイリー記者は「シーズンの3分の1以上が過ぎた今、30歳(まもなく31歳)のオオタニは、昨シーズンのようなMVP級のパフォーマンスを繰り返しており、本塁打とOPSの両方で同世代のライバルたちを圧倒している」と紹介。今季もナ・リーグMVPの最有力候補だと予想した。
また、大谷が同日に投手として復帰したことで「これにより、このロサンゼルスのスーパースターとナ・リーグの他の選手との差はさらに広がるだろうことになるだろう」と分析。「数十年後、オオタニは年配のファンにとっての語り草となる」と、伝説の選手になることは予想した。一方で、大谷について「主要な記録に到達する確率は驚くほど低い」と意外な論点を切り出した。
ボンズ氏が記録した歴代最多の762本塁打は、日本球界を経てメジャーに渡った大谷が抜くのは難しく、近年のペースを維持したとしても約660本塁打になると指摘。また、ピート・ローズ氏の4256安打、ハンク・アーロン氏の2297打点も、大谷が抜くのは難しい記録として挙げた。
その一方で、シーズンMVPの受賞回数については「彼は既に、その道の半ばにいる」と言及。2000年代以降でMVP3回を獲得したアルバート・プホルス氏、アレックス・ロドリゲス氏、エンゼルスのマイク・トラウト外野手の数字に、既に大谷は並んでおり、今季4度目のMVPを受賞すると歴代で単独2位となる。同記者はボンズ氏の「7回」という数字が「オオタニという選手の実力と可能性に見合った、ふさわしい目標とも言える」と記した。
また、ア・リーグのエンゼルスからナ・リーグのドジャースに移籍したことで、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手と競わなくても良くなったことも、有利な条件として挙げる。さらには、投手として復帰を果たしたことも大谷の「強み」だと指摘。「ローテーション、あるいは主力打線の一員として重要な役割を果たすだけでも非常に困難だが、その両方を担えるのは、選手としての価値において究極の切り札」とし、必ずしも投打両方でトップではなくても主力級のレベルを維持すれば、MVP選考で有利になると評した。
同記者はボンズ氏に関して「あまりにも突出しすぎていたため、野球そのものが彼の存在に適応せざるを得なかった」と批評。「そのボンズよりも多くMVPを獲得するというのは、それ自体がレガシーとなる。どの世代の誰に対しても、それだけでオオタニのすべてを語れるだろう」と記した。23歳でメジャーデビューし、投打二刀流という制約もある中、数年後に大谷が記録を塗り替える日が訪れるかもしれない。
(Full-Count編集部)
