“来なくていい!”大谷翔平、味方を黙らせた紳士的行動 激痛のはずも…笑顔だった意味

味方ベンチに腕を振ったドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】
味方ベンチに腕を振ったドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

2夜連続で死球を受けた大谷…パドレス4連戦は不穏な空気で幕を閉じた

【MLB】パドレス 5ー 3ドジャース(日本時間20日・ロサンゼルス)

 ライバル同士の4連戦カード最終戦は波乱の展開となった。19日(日本時間20日)にドジャースタジアムで行われたドジャース-パドレスの試合は、9回にタティスJr.への死球を発端に乱闘騒ぎに。直後には大谷翔平投手がまたも報復球を受けたが、熱のこもった行動で味方の怒りをなだめた。

 ピリピリムードの4連戦だった。9回、この日メジャーデビューを果たしたリトルのボールはタティスJr.の左肘に直撃。カード初戦から死球の応酬となっており、2日前にもタティスJr.と大谷への死球で一触即発の騒ぎが起こったばかり。パドレスのシルト監督は怒り心頭で飛び出し、ドジャースベンチに睨みを利かせた。

 するとロバーツ監督も応戦し、乱闘騒ぎに。結局両監督が退場処分となった。乱闘の際には選手は全員グラウンドに出るのが通例で、例に漏れず大谷も輪に加わって事態を見つめていた。

 しかしこれだけでは終わらなかった。その裏、大谷はパドレスのスアレスが投じた99.8マイル(約160キロ)が右肩甲骨付近に直撃。場内は大ブーイングが沸き起こった。2夜連続の報復死球に、ドジャースベンチからは選手が飛び出しかけたが、当事者の大谷は“出てくるな!”と言わんばかりに、ベンチへ向かって左手を繰り返し振った。

 新たな投手が投球練習を行う間、大谷は相手ベンチにいた元同僚のイグレシアスと笑顔で会話。塁上では前回同様アラエスと仲睦まじそうに交流するなど、事態の沈静化に務めているように見えた。

 試合後のロッカーでは、死球の当たった個所はボールの跡がつき赤く腫れていた。塁上では笑っていたが、160キロが直撃した痛みは相当だったはずだ。自分のことはいいから、目の前の試合を戦おう――何度も振った手に、そんなメッセージを感じた。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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