小久保監督も大興奮…ヒーロー石塚を絶賛 接戦を制して上機嫌「三塁打あるわけないのに」

ソフトバンク・石塚綜一郎【写真:栗木一考】
ソフトバンク・石塚綜一郎【写真:栗木一考】

渡邉陸が登録抹消…与えた課題とは

 ソフトバンクは20日、阪神戦(甲子園)に2-1で勝利した。先発したリバン・モイネロ投手は6回1失点の好投も勝敗はつかず。その後は4投手を繋ぎ、杉山一樹投手が2勝目、津森宥紀投手は今季初セーブを記録した。打線は初回、1死満塁から栗原陵矢内野手の内野ゴロの間に先制した。同点で迎えた延長10回2死三塁、代打で登場した石塚綜一郎捕手が右中間へ決勝の適時二塁打を放った。この日、取材に応じた小久保裕紀監督の一問一答は以下の通り。

●試合前

――近藤健介選手の進捗は?
「きょうは(ベンチに)入らないです。あしたはわからないですけど。少しずつよくなっています」

――ロベルト・オスナ投手について「病院にいく」とおっしゃっていたが。
「まだ詳しく聞いていないです。トレーナーに聞いてくれたら」

――川口冬弥投手が支配下登録。
「ファームからの推薦もあった。7月の最後には(支配下に)しようかなと思っていたんですけど、今のチーム状況でリリーフを考えた時に、1軍に必要だなと。一番スマートな登録の仕方になったんじゃないですか。ベンチに必要ということで、倉野コーチとも話をして、フロントに上げました」

――改めて川口投手の持ち味は。
「真っすぐとフォーク。あの独特のオープンステップでね。まあ、自分がやってきたことしか出せないので。そこから本当に、プロになったということ。まずはやってきたことを出す。それしかないです」

――渡邉陸選手が降格し、谷川原健太選手が昇格した。
「(渡邉陸は)しばらくスタメンがないという判断です。去年からバッティングと配球については問わないとやってきた。ブロッキングとスローイングが課題で、スローイングがなかなかこっちが求めているレベルにはならなかった。谷川原は2軍でも盗塁阻止率が4割を超えている。開幕を任せたキャッチャーだし、2か月腐らずに結果を残してきた」

――スタメンマスクでの起用も?
「交流戦はまた別かもしれないけど、(交流戦明けとなる)ロッテ戦からは可能性があります」

――交流戦の優勝が見えてきた。
「目標にはしていないけどね。カード勝ち越すことだけを考えてやってきたから。優勝がかかっているからといって、投げさせる予定のない投手を投げさせたり、そういうことはしないです。シミュレーション通りに行きます」

川口冬弥が支配下登録…今だから明かせる舞台裏

――山川穂高選手も再調整、オスナ投手も登録抹消となった。監督としても、決断が続くシーズン。
「正解か、不正解か(わかるのは)シーズンが終わってから。その都度、決断はしないといけない。去年は4月から首位でする必要がなかったけど、今年はずっと借金があった。指をくわえて見ているわけにはいかないでしょう」

――川口投手が1軍昇格。選手を1軍に呼んだ時、心がけることは?
「1番は早く使いたいんです。でも、この局面で使うことは隙にあたるかな、とか。シミュレーションからはみ出して使うようなことはないです、当たり前ですけど。山本(恵大)も(2軍監督時代に)見ていた選手ですけど、1軍のニーズに入っていない。でも、やっぱり早く使いたいっていうのはずっと思っていますよ」

――東浜巨投手はブルペン待機?
「今週はそうです、パ・リーグとの対戦が始まってからはわからないです」

●試合後

――厳しい展開を制した。
「本当に阪神の守備がね、この貯金がある要因。初回、ショートの小幡。あれが抜けていたら2点入っていたわけだし、2回の近本もスーパープレーだった。ノーアウトだったんですけどね。守備から村上を立ち直らせていましたね。モイネロも本来の調子ではなかったんですけど、ヒットを打たれながらも1点に抑えてくれた」

(監督自ら)

「まあ石塚が本当によく打ちましたよ」

――2軍降格の時、監督からは「左投手を打つ」という課題を与えた。
「送り出すときは明確な目標がある方がいい。ああいうところで使ってやらないとね。石塚の足で三塁打あるわけないのに。若さが初々しいですね」

会見場に現れた小久保監督は興奮のまま「よく打った!」

――右中間への見事な打撃。
「甘いボールを右中間に打てたことも自信にしてほしいですけど、何よりもこのビジターの空気の中で1本打てたということを自信にしてほしいです」

――最後は津森投手をマウンドに送った。
「津森はもう2軍に落ちる前とは別人ですね。連投なので、あしたは考えますけど」

――松本裕樹投手、藤井皓哉投手、杉山投手ら盤石なリレーだった。
「もちろん、こっちの今の強みですから。彼らでやられたら仕方ないという投手たち。オスナが離脱して尾形(崇斗)も本来の調子じゃない中で、人が変わっていく中でもしっかりやっていけたら」

――交流戦優勝に向けてまた一歩近づいた。
「あしたはあしたです。ピッチャーのシミュレーションをして、普段通りにやっていけたら」

(竹村岳 / Gaku Takemura)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY