山本由伸が証明した“エース”の価値 ド軍ナインに溢れた称賛「ファンタスティック」

ロッキーズ戦に先発したドジャース・山本由伸【写真:Getty Images】
ロッキーズ戦に先発したドジャース・山本由伸【写真:Getty Images】

初バッテリーのラッシング「雨天中断してしまったけど、いい登板だった」

【MLB】ドジャース 8ー1 ロッキーズ(日本時間26日・デンバー)

 賛辞の声が止まなかった。ドジャース・山本由伸投手は25日(日本時間26日)、敵地でのロッキーズ戦に先発。5回56球を投げて1安打無失点、1四球6奪三振の好投で今季7勝目を挙げた。雨天中断による早期降板という事態になったものの、指揮官も同僚もエースの投球に称賛を惜しまなかった。

 山本は初回を10球で3者凡退とすると、2回は2三振、3回は2死から初安打を許したが、5回までわずか1安打でゼロ封。56球の省エネ投球だった。しかし、6回表のドジャース攻撃中に雨が降り、相手選手が打球を見失う形で援護点をプレゼントされたものの、その後に試合が中断。約90分間、間が空いたことで降板となった。

 展開的にはメジャー移籍後初完封も狙える展開だったが、まさかの5回降板。それでも、打者優位の球場で相手打線を完全に牛耳って見せた。試合後に取材に応じたデーブ・ロバーツ監督は「ファンタスティックだった。いい登板だった」と大絶賛。「正しい使い方でカーブを投げていたし、スプリットもとても良かった。速球も。ヨシは期待通りの投球をしてくれた」と言葉を並べた。

 この試合では、ルーキー捕手のダルトン・ラッシングと初のバッテリーを組んだ。24歳の有望株は「ヨシ、そして彼らのような選手と組むことができて名誉だ。でも、私は1試合1試合の気持ちでやっている。彼らを成功に導く為に、私は何だって一生懸命取り組んでいる」と目を輝かせた。また、投球プランとしては「(カウント)序盤から(積極的に)スイングをしていたから、(まずは)2ストライクにすることを心がけた。最初の5イニングはうまくいった。残念ながら雨天中断してしまったけど、いい登板だった」と話した。

 また、3-1の7回に貴重な満塁弾を放ったマックス・マンシー内野手も山本の投球に感銘を受けたようだ。試合後に地元放送局「スポーツネット・ロサンゼルス」のインタビューに応じ、「スプリットがとてもよかった。普通はクアーズフィールドであまり使えない球種なんだけどね。でも彼の(スプリット)は動いていたから、それはいい兆候だね。制球もできていた。彼のバックを守るのは楽しい」と、高所で変化球が影響を受けやすい中でも、切れ味を一切失わなかった魔球に驚きを隠せなかったようだ。

 山本は6月に4先発して0勝3敗、防御率5.23と調子を落としていたが、敵地での一戦で圧倒的なパフォーマンスを披露。防御率2.61はリーグ5位まで改善させた。開幕ローテーションが崩壊するチームにあって、右腕の存在感は確実に高まっている。

(Full-Count編集部)

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