宮城大弥の凱旋登板は「チームにとってプラス」 厚澤コーチが明かす抜擢のワケ

オリックス・宮城大弥【写真:小林靖】
オリックス・宮城大弥【写真:小林靖】

沖縄での西武戦、宮城大弥の先発登板が確実に

 オリックスの宮城大弥投手が、沖縄での西武戦(7月2日、セルラースタジアム沖縄)で凱旋登板することが確実となった。プロ6年目で初めて故郷のマウンドに登ることになった背景を、厚澤和幸投手コーチが明かした。

「選手の希望は受け付けません。(登板機会などは)戦術とバランス、登板間隔などを総合的に加味して出しています」。厚澤コーチは、投手陣を預かる指導者として投手起用の基本的な方針を説明した後、宮城の沖縄登板に言及した。

「そこに関しては、宮城がいい投球を続けている中で、さらに現状を突き抜けてほしいという思いがありました。それがどういう結果であっても、今後の宮城、チームにとってもプラスだと判断しました」。地元で開催される試合に登板させてやりたいという“親心”だけでなく、凱旋登板が宮城のさらなる飛躍とチームの進撃につながるという思いがあった。

 条件も整っていた。交流戦最終戦の22日に宮城を登録抹消し、リーグ戦再開までの4日間にローテーションを再編。1カード目の頭に九里亜蓮投手を持ってくることで、2カード目の2戦目に10日間の登録抹消を終えた宮城の登板が決まった。

「2年続けて沖縄での試合となりましたが、昨年は宮城が負傷し、選択肢がありませんでした。今年は、登板しようと思えばいける中で、宮城自身も投げたいと思っているでしょう。沖縄という地が、宮城に力を与えてくれると信じています」。厚澤コーチの視線は、どこまでも温かい。

 14日の巨人戦(京セラドーム)で9回125球、被安打6、11奪三振、1与四球、1失点と結果を残しながらも、好投が報われず5月21日のロッテ戦以来、勝ち星に見放されている宮城を、故郷のマウンドとスタンドは優しく見守ってくれることだろう。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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