現場の危機感「やれること沢山」 野球×バスケ×ダンス…鷹が20周年に異競技を招いた意味

東京ドームで行われた20周年イベントでB.LEAGUEとD.LEAGUEとコラボ
ソフトバンクホークスは7月1日に「ソフトバンクホークス誕生20周年デー in 東京」を東京ドームで開催した。俳優の反町隆史さんが始球式を行い、試合前セレモニーでは人気ユニット「スキマスイッチ」が登場。豪華ゲストを招いた日本ハム戦では男子プロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」とプロダンスリーグ「D.LEAGUE」との3競技コラボも実現した。
「B.LEAGUE」からは宇都宮ブレックスに所属する日本代表の比江島慎選手が、「D.LEAGUE」からはCyberAgent LegitのリーダーのTAKUMI選手が東京ドームに来場。2人はセレモニアルピッチを行い、5回裏終了時にはCyberAgent Legitによる生パフォーマンスが披露され、異なる競技の選手とパフォーマンスが一堂に会した。
では、なぜホークスは、異なる3競技が垣根を越えてタッグを組む企画を仕掛けたのだろうか。
イベント企画を担当する事業統括本部マーケティング本部マーケティング企画部イベント企画課の井下真志課長は、今回の20周年イベントについてこう語る。
「この20年でホークスらしいことと言えば、何だろうと考えた時に『ワクワク』をテーマにコンセプト決めました。ユニホームの入場者全員配布を始めたり、いろいろなイベントをやってきたこの20年は『ワクワク』だよね、と。20周年にあたって、B.LEAGUE、 D.LEAGUEはまた違う『ワクワク』、楽しみ方とか観戦スタイルがあるなと思い、そういったところを取り入れたいなと考えました」
ホークスはこの20年で、今では各球団でも行うようになったユニホームの入場者全員配布を他球団に先駆けて始めたり「鷹の祭典(現在の鷹祭 SUMMER BOOST)」を恒例イベント化するなど、ファンサービスに力を入れてきた。ただ、近年は他球団の多くもそういったところに力を入れ、それぞれがスタジアムでの非日常感、特別感を醸成する工夫を凝らしている。「他球団の工夫もある中で切磋琢磨して新たなワクワクを届けていきたい。ホークスはこれからまだやれることは沢山あると思っています」と井下課長は意気込む。
そこで今回のB.LEAGUEとD.LEAGUEのコラボ企画だ。B.LEAGUEの演出の特徴は照明。暗転からの華やかなライティングショーなどでファンを魅了し、熱狂を生み出している。D.LEAGUEは映像演出と融合した個性豊かなダンスパフォーマンスで観客を引き込み、ボルテージを高めていっている。
実際、メジャーリーグが大好きだというTAKUMI選手も「D.LEAGUEは映像を使ってお客さんの期待感を煽る演出が特徴。あとは煽り合いではないですけど、パフォーマンスの前に作品のテーマや、相手チームのことに言及するんですが、それも盛り上がります。映像での演出は雰囲気が出ますし、すごく重要な役割を担っていると思います」と語る。雰囲気の高まりを肌で感じているからこそ「選手が話す映像などが試合前にあるとファンとしては嬉しいと思いますね」という。
「B.LEAGUEやD.LEAGUEって生のお客さんのリアクションを取るためにファンを盛り上げている。そこはホークスにも生かしたい部分です」と井下課長。B.LEAGUEとD.LEAGUEが、どちらもソフトバンクがトップパトーナーを務めていることもあって今回のコラボは実現した。「B.LEAGUEとD.LEAGUEが一堂に会することはなかなかない。ソフトバンクならではをまず作れた」と感じている。
本拠地みずほPayPayドームは1993年の開場から30年以上が経過している。設備の問題で実現できないことがあるのも事実。それでも、でき得る限りの工夫でファンを楽しませたいと頭を捻らせている。「今回のB.LEAGUEやD.LEAGUEとのコラボでは新たな刺激もあり、今までの20年に負けないイベントをこれからも企画していきたいです」と井下課長。競技の枠を超えた“共鳴”を掲げた今回の企画。そこにはファンエンターテインメントの最先端を追求したいという現場の思いがあるようだ。
(Full-Count編集部)

