出番なしで2軍落ち→衝撃の“逆転満塁プロ1号” 「いい流れをつくれた」高橋宏斗粉砕の要因

中日戦で満塁本塁打を放ち祝福を受けるDeNA・井上絢登【写真提供:産経新聞社】
中日戦で満塁本塁打を放ち祝福を受けるDeNA・井上絢登【写真提供:産経新聞社】

DeNA2年目・井上が高橋宏のスプリットを拾い上げる決勝の1号満塁弾

■DeNA 4ー3 中日(2日・横浜)

 DeNAの井上絢登内野手が2日、横浜スタジアムで行われた中日戦でプロ1号となる逆転満塁弾を放った。この日昇格即「6番・左翼」で先発出場し、いきなり初打席で見せた衝撃の一発。定評のある打力発揮につながったのは、直前の守備だった。

 1日夜、三浦監督からの電話でこの日のスタメンを告げられた。プロ2年目の今季は開幕1軍入りを果たすも、出番がないまま4月2日に2軍落ち。悔しさを胸にしまい、2軍で8本塁打と結果を残して再びチャンスを掴んだ。やっと巡ってきた出番に緊張、興奮が入り交じる中、「取り組んできたことをこの舞台で今日やろう」と強い決意でグラウンドに飛び出した。

 ハイライトはもちろん、初回の第1打席だろう。0-1の2死満塁から、高橋宏斗のスプリットを拾い上げると、打球はぐんぐん伸びて右中間席まで達した。力強いガッツポーズと雄叫びを上げ、大歓声を浴びながらダイヤモンドを一周した。

 この一発を打つにあたり「めちゃくちゃ影響あったと思います」と振り返ったのが、初回の守備だ。上林に先頭打者アーチを浴びて2番の岡林を迎えた場面。1ボールからの2球目、ふらふらっと打ち上がった打球に対してフェンスに激突しながら好捕した。

「守備は自分の課題。ひとつ飛んできてしっかり捌けたというのは、守備と打撃は影響すると思うので、守備でいい流れを作ることができたと思います」

 今季ファームの先発出場は三塁で26試合、左翼で8試合、右翼で7試合、一塁で6試合に先発出場。そんな中でいきなり“不安要素”を吹き飛ばしたことで波に乗れた。これまでは守備時にも打席のことを考えてしまう傾向にあり、切り離して考えるように首脳陣から口を酸っぱくして言われてきた。村田野手コーチも「最初のレフトフライが捕れたのはいいスタートになった要因でしょうね」とうなずいた。

 左の大砲としての第一歩――。勢いある25歳が、チームに6カードぶりの勝ち越しと勝率5割復帰をもたらした。

(町田利衣 / Rie Machida)

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