“史上最悪の契約”で四半世紀後も1.7億円 批判殺到も…62歳OBは余裕の笑顔「怒らないで!」

毎年恒例の支払日が話題に
メジャーリーグの中でも“史上最悪”と呼ばれる後払い契約で、1日(日本時間2日)に毎年恒例となる支払日が訪れた。当事者であるボビー・ボニーヤ氏は「今はその日を楽しんでいるよ」と自虐を交えて笑顔で語った。
ドジャースの大谷翔平投手も結んでいる後払い契約は、メジャーリーグでは当たり前のように行われている。その背景として、球団の総年俸が一定の額を超えると、リーグに一定の金額を納めなくてはいけない「ぜいたく税」を回避することがある。後払いがある場合は、契約総額を現在価値で計算する。
その後払い契約の中でも最も悪名高いと称されるのが、ボニーヤ氏との契約だ。メジャー通算2113試合に出場し、2010安打、287本塁打、球宴出場6回の実績を残るボニーヤ氏は、メッツとの契約が残っていながら1999年限りで解雇された。メッツは残りの契約である590万ドル(約8億5500万円)を支払う必要があったが、これを2011年から2035年までの分割払いにしたことで、利息を含めて2980万ドル(約43億1800万円)に膨れ上がってしまった。契約が終わる2035年まで年120万ドル(約1億7400万円)が支払われることになり、同年にボニーヤ氏は72歳になる。
毎年恒例の支払日を前に、ボニーヤ氏は米スポーツ局「ESPN」のポッドキャストに出演。バスター・オルニー記者から「あなたにとってこの日は、どういう気持ちで迎えていますか?」と直撃されると、ボニーヤ氏は「多くの人から言われるよ。私の誕生日より知られていると思う! ハハハ 皆が知っているからね!」と自虐ネタを交えて笑顔で答えた。
続けて「もう長いこと続いているから慣れたよ。楽しいよ。大昔の出来事だね」と話すと、オルニー記者は「30年前の出来事ですよ! しかも(後払いは)まだ10年以上も残っていますよ!」と、さらに突っ込んだ。ボニーヤ氏は「バスター、私に怒らないでよ! そういうものだ。グレートデーだよ。今はその日を楽しんでいるよ。後払いにしてよかったよ。美しいことだね」と話し、10年先まで語り継がれるとみられる自身の記念日に対し、思わず満面の笑みを見せていた。
(Full-Count編集部)