吉田正尚を支えた不屈の精神 苦悩の連続…閉ざされかけた“未来”も「強くなって帰る」

吉田正尚が2Aでリハビリ出場し、4打数1安打…「早く戻れるように」
一筋の光が差し込んだような笑顔だった。レッドソックスの吉田正尚外野手が4日(日本時間5日)、マイナー2Aポートランドのニューハンプシャー戦に「2番・DH」でリハビリ出場を行い、4打数1安打を記録した。3日(同4日)に出場した3Aウースター戦に続き、2試合連続のヒットに「ある程度は馴染んできた」と状態の向上に手応えを感じていた。
懸命に、自らの“居場所”に戻る。吉田は昨年10月に右肩を手術。今季は開幕から負傷者リスト(IL)入りしていた。主に外野を守る吉田だが、スローイングに苦しむ様子が見られ、2日(同3日)の3Aウースター戦でリハビリ出場。ようやく2025年がスタートした形だった。
日程の都合上、この日は2Aの試合に出場。復帰3戦目は「ここ2試合は少しフワフワした感覚がありましたけれど、ある程度は馴染んできた。オープン戦だと10試合くらいやりますけど(今回は)そこが短くなると思いますので、早く馴染めるようにしたいですね」と力を込めた。
患部の状態が思わしくない時期もあったため「スムーズに行ければよかったんですけど、1回(状態が)落ちちゃったので。そこが大変でしたね。先が見えなくなった時は気持ち的にもちょっときていましたけど。また1から作り直した感じです」と振り返った。
リハビリ期間は自分と向き合う日々だった。「早く戻れるように。なかなか手術してから思うようにいかない日も多かったですけど、必ず強くなって帰ってくるということを常に頭に置きながらでしたね」と冷静な口調で語る。
5日(同6日)も2Aでの試合に出場することが見込まれ「確実にバッティングカウントで捉えていかないといけない」と集中力を高める。「やっとここまで来たのでね。必死に頑張ります」。オリックス在籍時には、腕を骨折しながら本塁打を描いたこともある。15日で32歳。不屈の男は、虎視眈々と輝く時を追い求めている。
(真柴健 / Ken Mashiba)
