電撃解雇された大谷の“弟分”「とても感謝」 開幕2日前に突然…低迷チームで戦う今

ロッキーズでプレーするモニアック…低迷するチームで奮闘
2016年全米ドラフト1位のミッキー・モニアック外野手は、開幕前にエンゼルスからリリースされ、3年連続で地区最下位に沈むロッキーズでシーズンをスタートさせた。今季も歴史的な低迷となっているが、「成績には現れていないけど、才能豊かな選手がたくさんいるんだ。常に上手くなりたいと思ってやっているよ」と、自らを奮い立たせる。
2022年8月にノア・シンダーガード投手とのトレードでエンゼルスへ移籍。2023年には出場数を多く伸ばし、85試合で14本塁打を記録。チームメートだった大谷にも可愛がられ、日本のファンからも注目を集めた。昨年は中堅手トラウトの離脱もあって124試合に出場し、14本塁打を放っていた。
シーズンへ向けて準備を進めていた矢先、エンゼルスは3月25日(日本時間26日)にモニアックのリリースを発表。今季はトラウトが復帰したことに加え、モニアックはオープン戦で打率.173と苦戦。外野手争いで後れを取っていた。
「これも野球の世界だ。ビジネスだからね」。突然の通告に驚きながらも、現実を受け止めた。「あそこで過ごした時間にはとても感謝している。チームメート、コーチにも恵まれた。ファンも常に私をサポートしてくれた。南カルフォルニア出身の人間として、出身地の近くでプレーできたことは夢のようだったよ」。
感傷に浸る間もなく、すぐにロッキーズからオファーが飛び込んできた。「16、17歳の時から私に興味を持ってくれていた球団なんだ」。開幕から2試合は守備固めで出場すると、3試合目で迎えた移籍後初打席でいきなり1号。5月上旬には打率2割を切ったこともあったが、6月は月間打率.300、6本塁打を記録するなど好調だった。「激動の1年だけど、とても幸せだよ。ここ1か月はとても良かった。序盤も悪くはなかったんだけど、運に助けられたこともあった」。コロラドの気候、紫のユニホームも馴染んできた。
ロッキーズは近年苦しいシーズンが続いており、今季もすでにプレーオフは絶望的な状況。それでもチームには期待の若手が多く、将来的な浮上のために経験を積んでいる。「若くて才能のあるチームだ。多くの選手が環境に慣れようとしている。チームはだんだんとよくなっているよ」。多くの原石が爪を研いでいるロッキーズ。その中の1人として、ひたむきにプレーし続けている。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)
