シャンパンファイトも10分で途中帰宅 大谷翔平が超速で立ち去った理由「最後の最後まで」

ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

3日後のフィリーズとの地区シリーズでPS二刀流デビューする

【MLB】ドジャース 8ー4 レッズ(日本時間2日・ロサンゼルス)

 喜びの祝杯が始まって10分ほどだった。ドジャース・大谷翔平投手はゴーグルを外し、歓喜に沸くシャンパンファイト会場を足早に後にした。去り行く背中にチームメートからシャンパン、ビールをかけられたが、クラブハウスへ向かう足を止めない。あまりの“超速帰宅”ぶりに報道陣もあっけに取られた。

 3-2で迎えた6回だったと思う。ドジャース広報がシャンパンファイト取材に参加する報道関係者をメディア食堂に集め、紫のテープを配り始めた。だが、ここで“異変”があった。「今日のショウヘイの取材対応はありません」。混乱を避けるためか、事前に大谷の取材なしが通知された。それもこれも早く帰るため、早く休養に充てるためだったのだろう。

 超速帰宅にも理由がある。3日後の4日(日本時間5日)、敵地・フィラデルフィアで開幕するフィリーズとの地区シリーズで先発する。大谷にとっては、ポストシーズンでの二刀流デビューである。対フィリーズ戦は9月16日(同17日)に5回無安打無失点のノーノー投球を見せたとはいえ、ナ・リーグでは屈指の選手層を誇る強豪。気合が入らないわけがない。

 シャンパンファイトは30分ほどで終了したが、大谷はシャンパンファイトが終わる直前、いつも通り自身のインスタグラムに勝利の投稿。シャンパンファイト後は多くの選手はグラウンドに出て、観戦に来ていた家族と写真撮影など楽しんでいたが、ここにも大谷の姿はなかった。

 今世紀初のワールドシリーズ連覇へあと11勝。これまでに大谷は「最後の最後までチーム一丸になって戦いたい。この勢いをポストシーズンへぶつけたい」と語っていた。ワイルドカードシリーズ突破はあくまで通過点。本当に喜ぶのは栄冠をつかむまで取っておく。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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