大谷翔平に驚愕「一流でもたまにしか出ない」 敵軍は白旗…専門家が称えた221勝右腕“粉砕弾”

新井宏昌氏が絶賛…好調の予感があったシャーザーの初球
【MLB】ドジャース 6ー5 Bジェイズ(日本時間28日・ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平投手は27日(日本時間28日)、本拠地でのブルージェイズとのワールドシリーズ第3戦に「1番・指名打者」で出場し、4打数4安打2本塁打5四球(4敬遠)をマーク。1試合9出塁で数々の記録を打ち立てた。この離れ業に現役時代にNPB通算2038安打をマークした新井宏昌氏も「ものの見事に完璧ですね」と絶賛した。
サイ・ヤング賞3度を誇るマックス・シャーザー投手と対戦。初回の第1打席から二塁打、第2打席で右翼席へ本塁打。5回の第3打席では代わった左腕フルハーチから逆方向への二塁打、7回には左中間へこの日2本目のアーチを描いた。以降は勝負されずに4敬遠、5四球。9打席全てで出塁した。
新井氏は「彼が本当に絶好調の時のバッティングを4回連続で見せてくれたんですよ」と絶賛。その中で予兆は初回先頭の第1打席。シャーザーの直球への対応にあった。「シャーザーの第1球目のフォーシームのファウルを見て今日はいいなと思ったんです」と語った。
「今年の大谷選手はフォーシームが遅れることが多かったんですよね。それが去年よりもバットが長くなったことによる遅れなのかなと思っていたんですけど。ワールドシリーズも第1戦、第2戦ではイェサベージ、ガウスマンとスプリットのいいピッチャーに変化球に合わせていた。それが今日はシャーザーの初球を捉え、『あ、ちょっと違うな』と思いました」
ファウルにはなったものの、続くカーブを捉え右翼線への二塁打。さらに3回の第2打席では内角高めボール球の直球を思い切り振り抜いた。この打球を新井氏は「高さもコースもボール気味の球をファウルにしないでホームランにするっていうのはそうそうあることじゃない。一流のバッターでも本当にたまにしかできないことです」とコメント。
4度の敬遠は「どうすれば抑えられるか分からないような感じ」
左肘を折りたたみ、下半身の回転を使っての一発。「彼にパワーがあるのはもう誰もが承知ですけど、このホームランはパワーだけじゃない。素晴らしい技術の詰まったホームランです」と賛辞を止めなかった。
そんな中、試合は延長戦へ。ブルージェイズは徹底的に勝負を避けた。その結果、5打席目から全て四球。ワールドシリーズ新記録となる1試合5四球、プレーオフ新記録の1試合4敬遠。ワールドシリーズ史上2人目の1試合4長打以外にも記録ラッシュの1日となった。新井氏も「彼は動くたびに記録がついて回りますね」と驚きつつ、敵将の判断に理解を示した。
「もうどうすれば抑えられるか分からないような感じでですね。打ち損じを待つしかないわけですけども、今日はもう打ち損じてくれないだろうっていう風なブルージェイズの監督の判断は納得できるものだったと思います」
延長18回の激闘を制し、チームは2勝1敗に。総力戦の中、ブルージェイズはジョージ・スプリンガー外野手にアクシデントがあり、ボー・ビシェット内野手も負傷明け。「打線の破壊力を見ると、少しブルージェイズが落ちるのかなと思います。普通で考えれば、完全にドジャースが有利になってるのかなと思います」と今後を展望していた。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)