山本由伸が見せた素顔 考え抜いた手土産に“気遣い”のイジリ…「調べてきたでしょ?」

考え抜いた山本由伸への“手土産”に「調べてきたでしょ?(笑)」
【MLB】ドジャース 3ー1 Bジェイズ(日本時間1日・トロント)
屈託のない微笑み、抜群の愛嬌に周囲の人々は癒されていく。ドジャースの山本由伸投手は31日(日本時間11月1日)、敵地で行われたブルージェイズとのワールドシリーズ第6戦に先発登板。6回96球1失点の好投で白星に導き、シリーズの対戦成績を3勝3敗に。エースの投球で崖っぷちのチームを救い、運命の第7戦に持ち込んだ。
マウンドで見せる勝負師の表情は、グラウンドを離れると温和になる。とある遠征中。暑い日差しの中を数分歩くと、グレーのTシャツに汗が滲んだ。ふと立ち寄った店舗の入り口でクーラーを見つけると「あ~~」「涼しい~」「最近こういうことはできなくなったんですよね(笑)」などと言いながら、冷たい風を受けた。
20秒ほど“小休止”すると、店内を少し見回ってショッピング。「こっちに来てから全然、外出してないんですよね~。移動の時間も、日本に比べて長いですし、あんまり家から出なくなりましたね」。サングラスを装着して店を出ると、LA帽子を被った少年から「ヤマモト!」と発見された。優しく記念撮影に対応。スターになった27歳は、安易に街中を歩けなくなった。
とはいえ、中身は出会った頃のままだ。「日本に戻ったら、行ってほしいお店があるんです。僕の行きつけのお店なんですけど、めちゃくちゃ美味しくて……」。大好物であるイカの写真を見せると同時に猛プッシュ。最後には店名とURLも教えてくれた。
ロサンゼルス出張の際に悩んだ“問題”があった。日本からの手土産だった。羽田空港から出発するタイミングで「とらやの羊羹」をチョイス。先発登板が近くなると“補食”として食べるとの情報を少しだけ内密に入手し、賞味期限も長いため差し入れには最適だと考えた。
到着して手渡すと、一瞬で表情が綻んだ。「え? これは……。調べてきたでしょ?(笑)。すみません、気を遣わせて……ありがとうございます!」。久しぶりに見た笑顔には、新天地でも愛される理由がたっぷり詰まっていた。
(真柴健 / Ken Mashiba)