山本由伸「涙が溢れた」 疲労、充実、そして進化への手応え…連覇後の一問一答

「今までで1番くらいの喜び」山本由伸が明かした思い
【MLB】ドジャース 5ー4 Bジェイズ(日本時間2日・トロント)
ドジャース・山本由伸投手は1日(日本時間2日)、敵地で行われたブルージェイズとのワールドシリーズ第7戦にリリーフ登板。9回1死一、二塁でマウンドに上がり、2回2/3を無失点に抑え、今世紀初となるワールドシリーズ連覇の立役者となった。シリーズMVPにも輝いた山本の試合後の一問一答は以下の通り。
――ワールドシリーズを振り返って。
「ドジャースがワールドチャンピオンになって、試合を締め括ることができて、すごくやりきったなという達成感と喜びを感じています。全員が出し切ったので、僕は2日連続で投げましたけど、他の選手もコンディションぎりぎりでも、できることを全部やってプレーしたので、気持ちが1つになった結果だと思います」
――この2日間、結構投げたと思うが、体調的にはどうか。
「今はすごく良いですけど、ブルペンで作り始めたとき、まだ投げられるという確信がなくて、体調的にも。もちろん投球はできますけど、7戦目の試合は絶対に落とせなかったので、(投げる以上は)その責任もありますし。迷いというか、そういったのがあったんですけど、(肩が)温まっていくうちに、それもほぐれて、いけるぞというところまで持ってこれたので、いけると伝えました」
――今どれぐらい疲れているか。
「肩や肘がというより、本当に体がどっというか。やりきったなという感じです」
――今日投げる話は首脳陣からか。それとも山本投手から投げてみたいと伝えたのか。
「昨日投げ終わって、最終登板だと思っていたので、練習を教わっている矢田先生に1年間ありがとうございましたと伝えたんですけど、明日ブルペンで投球できるぐらいまでは、もっていこうかと言われて。ブルペンにいるだけで力になるならと思ったのが始まりです。帰って矢田先生に治療してもらって、今日も起きて、こっちに来る前にホテルで治療したあとに、今日はこんな感じで動いていこうかのような動作のアドバイスはありました。投げるとかじゃなくて。練習してみたらすごく感覚が良くて、気づいたらマウンドにいました(会場爆笑)」
――いってみようかと言ったのは矢田先生?コーチ?
「矢田先生がブルペンで投げられる姿を見せるだけでも、空気が変わったりというのもあるし、みたいな感じでどんどん乗せられました(会場爆笑)。でも本当に感謝しています」
――昨日この場で、明日プレーする選手は大変だと思うと言っていた。実際プレーしてみてどうか。
「大変(笑)。でもやりきったので、今まで感じたことがない喜びを感じています。やりきったからこそ、やって良かったと思える。今後の自分の成長というか、そんなもんじゃないですけど、すごい1日になりましたし、また1つレベルが上がったような感じがします」
――園田通訳が勝負パンツを昨日のものを持ち越して履いていた。通訳への思いは。
「試合が終わるまで知らなかったです。プレーするのは僕ですけど、サポートしてくださるみなさんが、そういった姿勢で、サポートしてくださっているので、そういうのが今日みたいなプレーにつながったり、今シーズンのプレーにつながったと思うので、本当に感謝しています」
――これだけ投げて、今は何がしたいか。何かお祝いは。
「もう帰りたいです(会場爆笑)。まだなにも考えてないですけど、とりあえず優勝できたので、それが一番うれしいです」
最後のアウトの瞬間に流した涙「すごく久しぶりに溢れ出てきました」
――今季限りで引退するカーショー選手からはどんな言葉をかけられたか。
「今まで一番強いハグをしていただきました。本当に頑張って良かったなと思いましたし、何にも表せられないような喜びを感じました」
――クローザーを務めることは想像していたか。掲げたトロフィーの重さは。
「第3戦は延長がありましたし、何があるか分からないという気持ちで、試合に合わせていこうとなったんですけど、展開によって、クローザーもあるかもなと思ってきて。すごい不安な気持ちになりましたけど、結果投げられたので。トロフィーは普通に重たかったです」
――ピンチの場面での投球は自分で考えた通りのものか。
「不用意な投球というか、ゾーンに入れにいくような投球だけはやめようと。基本ですけど、そこを意識して、高さだったりコースだったり。そこに集中してなんとか投げました」
――矢田先生がリカバリーの要因として、お風呂が大きかったと話していた。効果はあったか。
「メジャーの球場はビジターでも用意してくれているので、今日試合前に温めました」
――限界を超えたという感覚はあるか。
「うーん、限界を超えたという感覚はないですね。チームも僕がいけると言わないと出さないでしょうが、声をかけていただいたので。気持ちに余裕をもって準備できたと思いますし、そのおかげで良いピッチングになりました。限界を超えたという感覚はないですけど、プロに入って、2日連続で登板する経験は初めてだったので、そこに関しては自信になりました」
――マウンドに向かうとき怖さはなかったか。
「もちろん、こういった落とせない試合は、怖さというか不安というか、失敗したらどうしようというネガティブな気持ちから、登板前に緊張は感じますけど、しっかり落ち着いて、集中して、深呼吸して、いつも通り試合に入りました」
――最後のアウトの瞬間は。
「信じられないというか、最後に何を投げたかも思い出せないような興奮がありました。チームメートが来てくれたときには、今までで1番くらいの喜びを感じました」
――涙はなかったか。
「涙はでましたね、すごく久しぶりに溢れ出てきました。うれしかったです」
(Full-Count編集部)