脇谷亮太2軍ディフェンスコーチが力説した魅力
「わかっていますよ、誰の話を聞きたいのか。石塚でしょ」。巨人・宮崎キャンプ第1クールの2日、2軍の脇谷亮太ディフェンスコーチが旧知の記者を見つけるとニヤリと笑った。こちらとしては数年ぶりの再会で、まずは挨拶だけでも……と思ったのだが、願ってもない機会。若手最注目株の石塚裕惺内野手について見解を聞かせてもらった。
「持ち味として打撃はね。彼の一番のセールスポイント、アピールポイントになっているので、まずはそこを伸ばす。守備では彼はショートをやりたいという気持ちが強いので、こちらとしてもショートを守らせてあげられるように手助けをしたいですね」
花咲徳栄高から2024年ドラフト1位で巨人に入団。昨季は故障もありながらファームの55試合で打率.327、3本塁打、OPS.891と見事な数字を記録し、昨年9月末には1軍初安打も放った。スケールの大きさから「ポスト岡本和真」としての呼び声も高い。
球団としては本人も望む遊撃手としての“独り立ち”を目論んでいるという。「でもね、そうは言っても坂本勇人という高いハードルがありますけどね。ただ、彼はそのぐらいのポテンシャルがあるし、頭がいいんですよ。思考力もあるし、修正する能力もある。そういった面で期待せざるを得ない」。坂本勇人内野手を受け継ぐ、巨人の顔となれる逸材であることを認めている。
「本当に頭いいから。すごくしっかりしている」。脇谷コーチは力説する。「頭の良さ」をさらに深掘りした。「今の子にないものを持っています。今の若い子はスマホで情報収集をして、そこが全てになっている部分が多い」。
一概に“スマホ情報”を否定するわけではない。「そこも正しいけど、経験を積んでいるコーチたちからのアドバイスに耳を傾ける割合が少ない気はしています。親の言うことを流してしまうような感じですかね」。
高卒2年目突入直後で「難しいかもいしれないけど」
一方で、石塚の探究心は周囲とは一線を画しているという。「『もっと教えてください』『それはどういうことですか?』ってくるんです。こちらが伝えたことを自分に落とし込んで、アレンジもしている。挨拶もしっかりしているし、食事に誘うと『いいんすか!』って。なんかかわいいですよね」。
つぶらな目を細めて19歳を語る44歳の脇谷コーチに、あえて石塚の課題を聞いてみた。少し考えて返ってきたのは「あるとしたら元気かな」。性格がおとなしいわけではないが「高卒2年目に入ったばかりで難しいかもしれないけど、もっとチームを引っ張っていくという姿勢を見せて欲しい」と“注文”をつけた。
高い将来性ゆえに求めるリーダーシップ。昨季は2軍内野守備兼走塁コーチとして共に過ごす時間が長く、潜在能力は把握している。この2月、石塚は1軍キャンプメンバーに抜擢された。2軍で指導する脇谷コーチにとって、同じグラウンドにいないことが、喜びでもある。
(湯浅大 / Dai Yuasa)