緊張のブルペン…前田健太の“気遣い”で空気一変 11歳下・石原彪の意を決した「提案」

ブルペンセッション後、楽天・石原彪に球種の特徴を説明する前田健太【写真:伊藤順一】ブルペンセッション後、楽天・石原彪に球種の特徴を説明する前田健太【写真:伊藤順一】

呼び名に戸惑う10年目捕手にアダ名呼びを快諾…石原は「気持ちよくブルペンに入れた」

 楽天の10年目、石原彪捕手が前田健太投手との“ファーストコンタクト”に成功した。チームの捕手一番乗りで前田の球を受け、自身の中で懸案だった大先輩の呼び名について私案を提案。一発快諾を得たが、受け入れた前田にも考えがあったようだ。

 金武キャンプ第1クール最終日となった3日、今季からチームに加入した前田が2度目のブルペンに入った。1日の18球から中1日となったこの日は、ストレートやツーシームにカーブ、スライダー、チェンジアップを交えた30球を投げ込んだ。

 投球後、前田は「変化球も持っている球種は一通り投げた。いい感覚で投げることができましたし、まだまだ精度は上がっていくと思う。現時点ではいい感じで投げることができています」と順調なスタートを切った新天地でのキャンプに充実感を見せていた。

 この日のブルペンセッションでは“捕手陣一番乗り”で石原が前田の球を受けた。緊張気味の石原に、前田はまず笑顔で語りかけながらブルペンに駆け寄ってきた石原とガッチリ握手。石原の緊張を解きほぐすように1球1球、球種やコースを確認しながら「今のゆるい?」「曲がりが早い?」と質問を投げかけ、石原のトークを引き出していた。

 終了後、石原は「まっすぐも強いですし、スライダーは速く投げたり、遅く投げたり、外から入れたり(引き出しが)たくさんあると思います。本人も初めて変化球を投げたので受けれてよかったと思います」と前田の球種を解説した。

リード役の捕手を前田がリードする

 一方で「選手で受けたの(自分が)初めてですか? 話せてよかったです。じゃなければ人見知りで……(話せなかった)」と、この日のもう一つの“ミッション完遂”について語り始めた。

「まずなんて呼べばいいかという確認から入りました。小学生の時から観ていた人なんで(野球ゲームで)『マエケン』とか言っていたじゃないですか。田中さんが来た時も『マー君』と呼んでいたので確認したんですよ。『マー君さんでいいですか?』って。マエケンさんも『マエケンさんでいいよ!』とフレンドリーな感じで言ってくれたので、ブルペンに気持ちよく入れました」。

 ブルペン投球中は盛り立てる側の石原が完全に前田に盛り立てられていたが、緊張していた前田とのファーストコンタクトに成功した喜びから、終了後は笑顔が絶えなかった。

 石原の要望を快諾した前田はこのやり取りについて「今の段階ではみんな“いい子”だと思っています」と“性善説”を前提とした許可だったことを笑顔で説明した。その上で「来年のキャンプになった時に答えは出ていると思う。あいつは俺をナメてるとか……」とニヤリ。これから時間をかけて石原の人間性を観察していく、マエケン流の観察術であることを匂わせていた。

 ともあれ、持ち前のユーモアと人柄で、自らの調整だけでなく周囲との人間関係も順調に構築し、やりやすい環境を整えているマエケンだ。

(伊藤順一 / Junichi Ito)

RECOMMEND

CATEGORY