最終登板で満塁HR浴び「あれが答え」 戦力外→即引退…二木康太が心に決めた“ロッテへの献身”

第2の野球人生はロッテの打撃投手【写真:町田利衣】第2の野球人生はロッテの打撃投手【写真:町田利衣】

二木康太氏は12年間過ごしたロッテを昨季限りで戦力外となり打撃投手に転身

 昨季限りで現役を引退した元投手の二木康太氏は、ロッテの打撃投手として第2の野球人生を歩み始めた。戦力外通告を受けて12年間の現役生活に別れを告げ、スタッフ転身の打診に「迷いなく」決断。「ずっと不自由なく現役をやらせてもらったので、次は自分がチームのために頑張ろうと思って」と形は変わって腕を振る。

「ストライク入らないっす。抑えようとしていても打たれていたので天職だなと思ったんですけど、そんなに甘くなかったです」。そう言って二木氏が苦笑いする。30歳での挑戦も、日々学びの中にいる。

 2013年ドラフト6位で鹿児島情報高から入団したロッテを、昨季限りで戦力外となった。2016年に22登板で7勝を挙げて頭角を現し、2017年は143回1/3とキャリアハイのイニング数をマーク。コロナ禍による短縮シーズンだった2020年には9勝を挙げた。2021年に開幕投手を務めるもその後は怪我に泣き、2023年からは2年連続で1軍登板なし。昨季はわずか1登板だった。

「最初に電話が来て戦力外と言われたときに、もう現役はお腹いっぱいだなと思ったので、ほかを探すこともなく自分の中では9割9分決めていました。お世話になった方に連絡して最終確認というか発表まで1週間くらいかかったんですけど。最後の方は全然成績も残らなかったですし、自分の納得いくボールも投げられませんでした。『こんなもんじゃない』と思いながらずっとやっていて、試行錯誤してもダメで『これじゃ無理だな』という思いもあったので、それが一番の理由です」

現役時代の二木康太氏【写真:小池義弘】現役時代の二木康太氏【写真:小池義弘】

最後の登板は山川に満塁弾浴び敗戦投手「あれがもう答えだったのかな」

 昨年のシーズン最終戦となった10月5日に昇格し、ソフトバンク戦(ZOZOマリン)で3年ぶりに1軍マウンドに上がった。「普通に考えれば、あの時期に自分が(1軍に)上がるっておかしなことなんで。薄々『今年最後で、最後にチャンスをくれたのかな』と思いました」と“察知”していたのだという。

 結果は、山川穂高内野手に満塁弾を浴びて1回4失点で敗戦投手となり、これが最後の登板となった。「あのときはめちゃくちゃ『あー』ってなったんですけど、あれがもう答えだったのかなと思います。自分の中で潔く辞められた感じはあります」。浴びたアーチに、引き際を悟っていた。

 13度目の春季キャンプは、投手としてではなく基本的には野手と同じ時間軸で動く。「野手の練習を見ることがまずなかったので、練習量が本当にすごいなと思っています。現役の投手にも野手の練習を見させてあげたいくらい」と見えた景色に驚きがあった。

「今までマックスで投げていた力加減を6、7割にするのが難しくて……」と新たな悩みも生まれたが、二木氏には確固たる意思がある。「本当にチームのために、身を粉にしてやりたいです」と話す目は、あの頃と変わっていなかった。

(町田利衣 / Rie Machida)

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